Tyuru飛ぶ

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GW仲間二人と俺で富山の立山に行って来た。立山っていうと黒部ダムとか雪の大谷、雷鳥も有名だ。

誘われた時は軽い気持ちでOKしたのだが、この時期の立山は雪山、話を聞くとかなりヤバいらしい。あわてて12本爪のアイゼンやピッケル、その他雪山装備を調達した。

5月の3~6日の日程。初日は夕方に東京を出て夜9時ごろ富山に到着。居酒屋で飲んで翌日に備える。富山って何が有名なのかもよく知らなかったんだが、とにかく海産物がおいしいね。ぎりぎりホタルイカの季節ということで普段はイカを食べない俺でもおいしくいただけた。

翌日朝4時に起きて5時20分の電車に乗り、立山に向かう。富山地電>タクシー(えらく混んでいるので裏技でタクシーを使う)>ケーブルカー>バスで2400mの室堂に着いたのが7時くらいかな?

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これケーブルカーの終点美女平から室堂へ向かう途中の雪の大谷。実際に行ってみて「あぁここか!」というくらい有名だよね。立山は一般車が入れないので、観光客はケーブルカーの始発点に駐車をし、ケーブルカーとバスでアクセスする。今年は例年より雪が少ないとはいうものの、充分あったw これはまだ低いところだけど最大で10mくらいはあったと思う。


ちなみに今回は殆どホワイトアウトの世界だったので写真は少ない。
室堂では雨。驚いたのは春スキーをする人でごった返していたこと。ここはリフトとかないので、みんな板を背負って登り、滑走する。中には板の滑走面にシールをつけて登っていく人もいるけれど、こんな過酷な遊びをする人がこんなにいるなんて・・・という感じ。でもみんなかっこよかった。

んで我々は雨の装備を整え、一の越山荘(山小屋)へ向かう。夏ならば1時間の行程、我々は雪の中なので1.5時間と予定していたが・・・ 歩きはじめると雨は雪に変わっていた。そして強風・・・75リッターのザックだから30キロ弱の荷物だったと思うんだけど、これがきつい。雪もザラザラで歩きにくいし、視界はないしでトボトボと歩き続ける。2400mから2700mくらいまで登るのだが、すでに高度障害なのか息も苦しい。雷鳥の声とか聞こえるんだけど、探す余裕なしw 今回のリーダーが結構へばっていて無口になっちゃうしできつかった。休憩するにも吹雪の中で休憩するにもできず、結局2時間かけて山荘に到着。予定ではこのあと雄山にアタック予定だったのだが、登ったところで視界も無いし、危険ということでこの日は半日山荘で過ごすことになった。

幸いにもこの日に泊る一の越山荘は山小屋というには快適で、 食堂でのんびりできる。テレビもある。水道は無いのだが、御手洗のところに生活用の水も用意されている。スキーの人も多いので、乾燥室まであり、食堂で休むお客さん達と話したりしながらのんびりと過ごした。

確かこの日に白馬で6人全滅ってのがあったはず。登山をする人はなぜこういう事故が起きるのかとかいう話題で結構盛り上がるのだが、やはり登らない勇気であるとか技量にあった行動予定設定・装備という所に問題があったようだ。どちらかというと無謀な方な俺は、結構耳が痛かったかも・・・山小屋に停滞しつつ、どこか来たくて仕方なかったしw

んで夜はひとりひとりに豆炭(湯たんぽの燃料版)が配られ快眠。12時間寝たとか久しぶりだが、朝の天候はやはり荒れていた。風が強く横殴りで、ホワイトアウト状態。10時くらいまで停滞したが、一瞬日が差したので、フル装備で雄山にアタックすることとなった。アタックはアタックザックなので軽いし身軽にできるが、結構険しい。

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手前の岩をよく見ると氷が変なつき方してるのがよくわかる。結構な勾配でここを登っていく。視界がたまたま開けたので撮影できたが、登り始めるとまた暴風状態。1時間の所を 1.5時間くらいかけて登った。

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立山主峰雄山山頂。3003m。晴れていると絶景らしいのだが・・・

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こんな感じw

ここでちょっと休憩してまた山荘に戻った。その途中、俺らの前を歩いていた家族の奥さんが「危ない!」というと同時に子供が2mくらい滑った。ドキッとしてその様を見ていたわけだが、チビちゃんはすぐに止まった。その直後、俺の後ろにいたおじさんが滑落しだした。ザザッという音とともに倒れたおじさんは仰向けのまま背中で滑っていく。幸い斜度の緩めなところで、5mくらい滑ったところの岩場で止まった。怪我は無かったようだが、見ているこっちはかなり怖かった。今までいろいろ危なそうなところも歩いてきたけれど、滑落を目の当たりにしたのは初めて。いやまじで怖かった。ホント「あぁぁぁぁあ」と思うだけで何もできない。まぁでもこの斜面でポールで登るのはさすがの俺でもやばいと思った。

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降りて一瞬晴れ間が出たのでパチリ。ずっとこんなんだったら楽しかったのに・・・ 中央右にあるのがテント場。こんなときでもテント泊の人たちがいる。その向こうの斜面がスキーにいいらしい。

今回はこれ以上ピークを狙うのは無理ではないかということになり、次の山小屋へ移動。雷鳥荘という山小屋だが、ここはもう旅館w 水はある食事は豪華ということなし。温泉まであったのには驚かされた。

そして3日目。強風・・・。今日は1時間くらい歩くだけなのだが、バスや電車の時間があるので、のんびりはできない。強風の中を歩くが・・・。最初まぁとぼとぼ歩き始めたが、今までにない突風が吹きだした。最初「おぉ?」と思うくらいなんだが、どんどん強くなってきて、しまいにはザックから風に持ってかれた。俺が飛ぶ羽目に・・・ 幸い反対側は斜面ではなくハイマツという松林で雷鳥のすみかなわけだが、仰向けになる形で吹っ飛ばされた。もうここからビビりまくりw 実はここまで、なんでピッケルなんて面倒なもん持つんだろうと思っていたのだが、この後はピッケル命w 少し風が吹くとピッケルを地面にぶっさして、防風姿勢を取る。まっすぐに歩くこともままならない状況で、ひやひやしながら歩いた。3m先が見えないホワイトアウトで、道も近いはずなのにどっちに行けばいいのか分からない状態。雪山の恐ろしさを実感した。どうにかこうにか駅にたどり着いて、GW最終の満員電車に揺られて帰って来た。

今回の山行で、テント泊以外の装備はほぼ揃ったわけだが、今さらながら現代の装備のすごさも知ることができた。零下の暴風となると体感はマイナス5度を軽く超えると思うが、そんななかでも上下2枚で余裕・・・熱くはないが寒くもない。価格は驚くほどだが・・・それも納得の快適性能だったと思う。かなーりいらないものを買ってきたなぁと思ったが、なんだかんだ全部動員してたかな。これ以上の雪山はさすがにそうそう行くことはないだろうから、グッズはコンプかな。あとGPSがちょっと欲しい・・・というかこのホワイトアウトとかGPSとかないと無理w 昨今のスマホでGPSってのは普通の登山ならいいかもしれないけれど、命をかけるには心もとないというか、意味をなさないと痛感した。

こうしてみると半年で、丹沢山・筑波山・天城・立山と百名山中4つの山を上った。こうなったら百名山を中心に山行を考えていこうと思う。日本全国がんばっちゃうよ?たぶんねw

コメント

  1. みみ より:

    連休にも登山死亡事故が多かったから,「飛ぶ」のタイトルを見てびっくりして見に来たよ。怪我がなくてよかったね,ほっとした。
    実はうちの兄貴は大学のとき山登り(ワンゲルか登山部か,忘れた)が好きで,正月にヘリが出動する事故を起こして驚かされたり,友達が一人亡くなったりしたんだよな・・登山は気をつけてよ!

  2. zero より:

    nacさん、
    もう俺の届かないレベルまで行っちゃってたんだね...泣
    でもちょっと雪山行ってみたい...

  3. tyuru より:

    >mimi
    山の事故って他人ごとだったけれど、今回はちょっとやばいなと感じたよ。ブログに書くと大事に見えるけれど、実際はそんなでもないのかもしれないが、気をつけようと思った。
    >ぜろ
    きちんとした装備なら雪山だって行けるさ!つか平日でポッと空きそうな日あったら教えてよ。日程合えば行くよ!

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