8月の頭に登山の兄弟子Tさんとお酒を飲みました。その席で酔った勢いで師匠に電話「盆休みにどっか連れてって」となりました。それに対し師匠も「わかりました都合つけましょう」となり、盆休みの週末、二泊三日で奥蓼科の渋御殿湯へ湯治へ行くこととなりました。
湯治というのは、師匠がまずヘルニアで腰がどうにもならない状態、次にTさんが腰と膝が調子が悪いとのこと。私はまぁ登山こそできますが一応脳梗塞持ちですw
十数年前に丹沢へ行ったのがこの三人組の最初ですが、以降、八ヶ岳・槍ヶ岳・立山・剣と師匠に連れて行ってもらいました。時は経ち3人が3人ともポンコツ状態となってしまい「湯治」となったわけです。
初日、私が車を出してTさんを拾い、さらに師匠を拾って渋温泉へ。渋温泉は北八ヶ岳ロープウェイの二本南側(一本目は麦草峠)の突き当りになります。途中東山魁夷が描いた御射鹿池(みしゃかいけ)を眺めて進んだ奥にあります。そのドンつきにあるのが今回宿泊する渋御殿湯となります。
この温泉は師匠が湯治場として愛用している温泉場。年のうち30日以上ここで湯治をしているそうですw 某有名登山家も常宿にしているのだとか。基本的には八ヶ岳の天狗岳への登山口にあたるので山小屋風温泉場といったところでしょうか。浴室は二か所あり、日帰り入浴は西館のみで、こちらは冷たい源泉と沸かし湯にシャワーと、特徴的とはいいがたいところがあります。この宿の真骨頂は宿泊客のみ入ることができる東館の浴室。ここは26度の源泉・31度の長寿湯・43度の上がり湯があります。シャワー等は一切なく、酸性(ph2.7)湯となっています。傷があれば痺れるレベルの酸性度で、顔を洗うと目が痛くなってしまうので注意が必要なレベル。無理に体を洗わなくても酸で溶けてしまうくらいの勢いで、1時間近く入った後には肌がツルツルというか一皮剥けてしまったくらいの感覚になります。ホスピタリティは山小屋風ということもあっって、リゾート気分は皆無と言えますが、山小屋に慣れている人ならば強烈におすすめできます。そんな雰囲気は料金にも表れていて、シーズンで宿泊料金が変わることはなく、常に一定の料金で一定のサービスを受けられるのがこの温泉宿のメリットでありデメリットでしょうか。もともと冷泉好きな私としてはかなり気に入ってしまい、年末年始の師匠の湯治には途中参戦してみたいなと思えるレベルの宿でした。
初日は宿に着いたのが4時過ぎということもあって、軽く一風呂浴びてから17時から夕食、夕食後も部屋で飲んだり温泉に行ったりという感じでした。横浜が36度なのに対してこちらは20度くらい。標高が1800mなのでとても過ごしやすいところでした。
二日目。関東では台風が直撃かという日で、八ヶ岳は朝から霧雨と雨が交互に降る感じ。ただしこれは標高の高い部分だけのようで、平地の方には晴れ間が見えています。朝食後に風呂に入ったりしつつ天気を眺めていましたが、好転しそうもないので取り合えす尖石縄文考古館へ行くことに。
この考古館は温泉宿にポスターがあって、私が師匠に「ここって面白いんですか?」と聞いたところ「国宝の土偶があるよ」との返答。Tさんと私は国宝にめっぽう弱いので天気もイマイチだし行こうということとなりました。
予想通り雨は止んでいましたが、盆休みということで駐車場はほぼ満車。大盛況の模様。館内に入り多くの資料を見回りましたが、茅野市全体が縄文時代の遺跡が多い地域ということ、その中でもこの尖石地域が遺構が多く、その発掘の際に国宝の「縄文のビーナス」「仮面の女神」が出てきたということを知りました。
八ヶ岳が黒曜石の産地で、水も多く、さらには諏訪湖があるということで、冬は寒いけれどもそれ以外は住みやすい土地なのだそうです。予想外に面白いところで、国宝も実物展示でとても良いところでした。考古館の外には竪穴式住居の復元されたものがあったり、地名の由来の尖石などがあり、のどかな公演となっています。
考古館のあとは、某有名登山家が訪れるというお寿司やさんへ。ちょっとお高めなのですが、ランチを軽くいただきました。
そしてその後は天気はともかく麦草峠を上り、白駒の池駐車場を目指しました。ここは冬に歩いた麦草ヒュッテのすぐそばです。冬は閉鎖されていますが、夏季は登山・ドライブ・ツーリング・サイクリングでも有名なところです。
ところが現地はやはり雨。道中も霧で殆ど視界がありませんでした。なので麦草ヒュッテでお茶をして宿へ戻りました。麦草ヒュッテのコケモモジャムが美味しかったです。
結局この後台風の接近に伴い天気は悪化。宿に戻って夕食と温泉です。
3日目、温泉三昧の三日間もこれで終わりです。朝風呂の後に朝食をいただき、9時過ぎにハイキングの準備を済ませて再度白駒の池へ向かいます。天気は台風一過の晴れ。とてもすがすがしい。ただ9時過ぎに白駒の池駐車場についてびっくり。200台ある駐車場がすでに満車です。滑り込みで駐車できてラッキーでした。
白駒の池まではコケ生す森を歩く感じ。これはちょっと予想外の美しさで驚きました。晴れた日には最高の体験ができると思います。気温は22度だったかな?暑すぎずとても気持ちいいハイキングができます。
白駒の池をほぼ一周しましたが本当にここきれいですね。普段着でも歩けるレベルですが、周遊路は一部登山道もあるので靴はしっかりしたものがいいかも。あたり一面の緑とそこに射す日光とのコントラスト、空と湖の青、とても素晴らしいです。自転車とかバイクの人も是非立ち寄ってみてほしい。入り口から10分で池に着きますが、ここまででも驚くくらいきれいですよ!
さらに足を延ばして登山道を40分ほど登ると、テレビや雑誌でもよく出てくる高見石小屋に着きます。師匠は登ることにかなりおっかなびっくりでしたが、黙々と、淡々と自分のペースで登り切り男を見せましたw 登山からすると何でもない距離ですが、腰を痛めていてコレは本人もうれしかったようです。Tさんはやはり膝が痛いって言ってたかな・・・ この登り下りは本格的な登山になるので装備はしっかりしておいたほうがいいです。やはり一面のコケの山道をひたすら登りますが、登り切ったところに小屋が出てきます。
この小屋の名物が「揚げパン」。この日は5色セット(1,100円)のみの販売でした。これが登りで疲れた体には美味しい!また、小屋からさらに高見石を登っていくと佐久市が一望できる頂上となります。我々は揚げパンを食べて、頂上に登り、小休止して景色を堪能、再度白駒の池に戻り、アイスクリームを食べて駐車場に戻りました。ダラダラのんびり歩いて4時間くらい楽しみました。
「2,000mまでトンボが上がってきてるからもう秋です」師匠ポンコツのわりにたまに名言をつぶやいてくれますw
ハイキング終了後はプール平にある蓼科温泉浴場にいき汗を流しました。ここのお湯は熱いです。地域の人が入れ代わり立ち代わりくるのでかなりの人気の温泉なようです。500円かな。
その後、茅野に降りてお土産を買い帰路につきました。盆休みの終わりの上りの渋滞もありましたが、3人で話しながらだとすぐでした。
今回は同行の二人が故障中なので本格的な山はありませんでしたが、渋御殿湯・尖石縄文箔股間・白駒の池と北八ヶ岳の今まで知らなかった名所を一気に体験できた旅行となりました。この三人組はボチボチ現役引退が見えてきているお年頃なのですが、毎年こうやって遊んでいられたらいいなとおじさん心ながら思える楽しい旅行でした。
白駒の池と渋御殿湯はまた今度ゆっくり行こうと思っています。それくらいいいところでした。
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