「もしも生まれ変わったら」とか「もしも人生やり直せるなら」とか50代のおっさんが考えるような話ではないのだけれど、昔から「もし・・・なら」、私は音楽をやりたかった。
学生時代には周囲にそういう友達がいなくて、尚且つバンドとは無縁な環境で育ったので、カスルことさえなかった。
大学生の頃、あまりに暇で、どこから持ってきたかすら覚えていないのだけれど、フォークギターを独学でやっていた時期があった。ひと通りのコードを覚え、「f」や「b」を克服しwかき鳴らすくらいまではできたのだけれど、アルペジオで「さっぱりわからん」となって結局続かなかった。
社会人になり、音楽すら聴くことが減って、いつの間にやら音楽のない生活になった。結婚・子育て(育ててくれたのは奥さんだけど)の間は音楽とは無縁に近い状態。
40代後半になって急にカーオーディオに目覚め、今に至るわけだけれど、やはり気持ちのいい音楽を聴いていると「弾けたらなぁ」と思うことが多い。
初めて行ったコンサートは日本青年館のブライアンアダムス。彼がまだ「Reckless」を出す前。「Cuts like a knife」の頃だ。洋楽に目覚めたばかりで、そのカッコよさは衝撃的だった。
その後、本当にいろいろなコンサートを見に行ったけれど、楽曲はともかく、Liveが楽しくて仕方なかったのが「白井貴子」。「学園祭の女王」と呼ばれていた頃だ。普段は彼女の曲をほとんど聞かないのに、ライブだけは友人と追っかけていた。いつも小さな箱で、ホント汗が飛び散るような、熱気ムンムンの雰囲気が大好きだった。「ラズベリーキック」というアルバムが出た時のツアーセットはいまだに鮮明に覚えている。開演前の真っ暗闇で、ギターの前奏が鳴り響くだけ。客がじれたあたりでスポットライトが当たり、ギタリストがただただ前奏をかき鳴らしていた。あのステージはものすごくかっこよかった。
人生で最高のライブは?と聞かれたら、横浜アリーナのエアロスミス。後輩の伝で、アリーナ席のど真ん中で見ることができた。ルックスもかっこいいしライブのセットもかっこいい。スティーブンタイラーとジョーペリーの二人が(ヒョロガリ・長身の二人)が、年甲斐もなく好き放題に演奏する様は「ロックだなぁ」としびれた。
そういったステージを見るたびに「音楽やってたらなぁ・・・」なんてことを思っていたが、そんな気持ちを思い出させてくれるのが、この「BECK」だ。
BECKとの出会い
実はもう何時これを知ったのかすら覚えていない。漫画喫茶がはやり始めたころ、たまに暇になって漫喫に行くと、聞いたことがあって長編の漫画を読むというのが私の決まりだった。「BECK」はいつもその選考基準の中には入らないのだが(知らなかった)背表紙が34冊並んでいるのはいつも気になっていて「長編だからいつか読もう」と思い続けてはいた。
たぶん実写映画をテレビか何かで見て「あぁ音楽の話なのか」ということで、漫喫で読み始めたんだと思う。というか、読み始めたら止まらなくなって、漫喫に通って読み切った覚えがあるw 映画に関しては音楽映画というよりも、「イケメン俳優の詰め合わせドラマ」としか記憶はなかったのだが、漫画は読みながら「これってどんな音楽なんだろう」とか「これアニメや実写で表現するの無理だろ」なんて思ったのを覚えている。
たまたま見つけた
最近プライムビデオでめぼしい所を見つくして、しばらく起動すらしていなかったので、何気なく作品探しをしていたらアニメ版の「BECK」を見つけてしまった。
「アニメでBECKの音楽を表現しきれるんか?」と思いつつ見始めたら、オープニング曲からしてものすごくいい!途中のCMに入る際のベースや本編に戻る際のギターもいい。家のテレビで2chで見ていたのだけれど、なんかやたら音が気持ちいい。結局昼に見始めて、翌朝まで、26話一気見してしまったw
BECK
ストーリーは少年漫画の王道的な、冴えない主人公がひたすらに打ち込んでいって、時には苦悩し、時には恋愛し、みたいな流れなのだけれど、余分な流れがなくてスッと見ていることができる。
アニメに関しては作画が秀逸であるとか、かっこいいなんてことはほとんどないのだけれど、全体に雰囲気があって、どれも心地いい。
中でも気になっていた、主人公たちのバンドが奏でる音楽だが、それこそ王道ロックというか、たぶんこの作品の時代はオアシスなどのブリティッシュロックが流行っていたと思うのだけれど、ちょっとお利口さんなイメージのあるこのブリティッシュな雰囲気がこれまたはまっていると感じた。ストーリー的にはコテコテのハードロックがいいとは思うんだけど、これはこれで微妙なズレがいいのかな?
誰にでもおすすめ
誰でも「あんなアイドルになりたい」とか、「あんなロックバンドをやってみたかった」なんて「憧れ」を一度は持ったことがあると思う。このアニメは、それをツンツンつついてくれるような作品だ。
もう今さらどうにもできないのだけれど、そんな「憧れを持っていた頃」や、「その時の気持ち」をホワっと思い出させてくれる。そんな作品。
今までBECKを評価する人に会ったことはなかったし、私自身も積極的に人に勧めるようなことはなかったけれど、今思えば「何か感じさせてくれる作品」なのかなと感じた。
ブログに書こうなんて思いもせずに見始めたのだけれど、この文章をご覧の通り、いろいろ思い出させまくるので書いてしまいましたw
「あぁ面白かった」「良かった」だけでなく「そういえば俺も(私も)」なんて感情を抱かせてくれるアニメ。おすすめ。
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コメント
音楽始めるのに早い遅いは無いですよw
50の手習い やるべきですよ!
今はまだ他にやらねばならないことがあるのでwそのあとかな?いずれやってみたいです。
全巻持ってます
みしまってアノみしまさん?さすが違いのわかる男…