ということで、スバル好きじゃないアピールも虚しくレイバックに乗り換えました。アイサイトが手放せません。2023 D型レイバックです。

このクルマは基本ワングレードで、エンジンや駆動方式に選択の余地はありません。エンジンはレヴォーグ・アウトバック・フォレスターで使われている水平対向1.8Lターボ「CB18型」で、フルタイム4WD(ただしX-Modeはありません)。今だとブラックセレクションという真っ黒仕様があって色だけは選べる感じかな。
素の状態でも最上級のアイサイト「アイサイトX」・ハーマンカードンサウンドシステム・自動リアゲートなどがついて400万円弱と、かなりコスパのいい仕様。ただしオプションを盛っていくと(エアロや内装など)500万を超えてきます。私が今回購入した車は、新車ならばサイト見積りで520万超くらいの仕様。このあたりも決め手となったことは言うまでもありません。
最初に見た感じでは、XVから車格がワンランク上がったこともあり、基本的には似たような内装(スバルはみんな一緒)なのですが、広いしどことなく高級です。乗り味は全然違っていて、これぞターボ車という感じ。とはいえスパルタンというよりはラグジュアリー寄りな乗り味かな。
ネクステージで納車されてお店を出発した瞬間、出足のトルクの太さに思わずニンマリ。ワクワクしました。しかし走り出してみるとそのワクワクは掻き消され、車重のせいか鈍重な印象になります。ガチガチの鉄の篭にのってフワフワ浮きながら走っている感じ。フレーム剛性が高いけど重くてエンジンパワーが若干足りていない雰囲気でした。「これはちょっと・・・」と感じつつ500キロほど走ってのインプレッションです。
エクステリア
デザイン
デザインは基本的にはレヴォーグなのですが「都会派SUV」ということで、フロントマスクが近未来っぽいデザインに変更されています。個人的にこのフロントマスクはかなり微妙で、特にグリルのメッキラインが安っぽく感じます。レイバックが第一候補になれなかった理由でもあります。
しかしながら実物はなかなか迫力があっていい感じ。でもちょっと見方を変えて全体を眺めると、やっぱり商用バンっぽいw どうにかしてこの安っぽさを普通車っぽくしたいところです。ボディーカラーの白の色味が白すぎるんじゃないかな。もうちょっとパールなりベージュを混ぜて、高級な雰囲気にしてほしいところです。スバルのカラーは全体的に中途半端というか「コレしか!」ってのが無いです。よく言えば武骨で男らしい。普通にみるとダサいになりがちです。
あと斜め前から見たときにリアエンドの処理がよくないかな。ここを削ると流行りの収納力のないSUVになっちゃうんだけど、ちょっと気になります。ただリアからの眺めはレヴォーグと同じでいい感じです。

オプション
一応アクセントにならないかなと思って、STIのドアハンドルカバーを付けてみました。ここは結構傷が入るのでXVの時から貼るようにしています。フォレスター用となっていますがレイバックでも問題なし。
私が購入した車は、ベースにさらにSTIのエアロが下回り一式(STIエアロパッケージ)とSTIマフラーが入っています。これがまたラグジュアリーというよりレーシーな雰囲気で、都会派SUVにはちょっとちぐはぐ感があるかもしれません。実際に乗り始めて感じるのは「もうちょっと高級SUVチックなところが欲しい」となるので、ラグジュアリーパッケージのほうが良かったかもしれません。STIマフラーは実際のところ、なくても問題ないわけですからw
フロント下部のLEDアクセサリーライナーは車幅灯になっていて、ライトのコの字と共に昼でも点灯しています。運転席からON/OFF可能。これはバランス的にあったほうがいいように感じます。
あと今回の車はサンルーフ仕様です。今までサンルーフを開けるという習慣がなかったので、天井が重くなるサンルーフに用はありませんでした。ただロードスター以降、開放感欲しさにサンルーフ付きの車では積極的に開ける(ガラスは閉めています)ようになっているのでアルニコしたことは無い感じです。
※ちなみにサンルーフがあると車のリセールは気持ち上がります。後付けできないのでタマ数が限られるためなのだそうです。

インテリア
運転席まわり
今回は本革シートなこともありますが、乗った時点でなんかしっとり高級です。しかしスバルだけに輸入車のおしゃれ感は皆無w 私の場合、泥んこでも濡れてても余裕で座ってしまうので、シートカバーが必要かもしれません。新車で買ったなら本革シートはつけなかったかな。
乗り出して感じたのはこの車は小物入れが少ないです。ドリンクホルダーはありますが小物入れがドライビングシート側にありません。通常XVだとハンドル右側に小物入れがあるのですが、そこはETCになっています。
またエアコン吹き出し口が特殊かつフィンが長めでお気に入りのスマホホルダーが使えませんでした。結局3個買ってそれでも納得していないけれどここに落ち着いています。置くところが無いのですw 今この商品は売り切れ中です。
また純正状態だとセンターコンソールがただの箱になっていてトレーすらありません。しかも中をのぞくとシガーソケットの穴はあるのですがシガーソケットがついていませんw コストカットしすぎです。私の場合、ここでカメラなどを充電することが多かったので自分でシガーソケットを入れる予定です。
トレーは社外品にしてみました。
シートに座って前を見た時点でXVよりもかなり見切りがいいというか視界が広いことに気づきます。車が大きくなったことを差し引いても視界の広さは気持ちいいです。
シートはXV(GTE)のときから感じていましたが、適度な硬さでかなり座りやすい。腰に負担が少ないシートです。実際3時間くらい乗っても腰が痛くなりません。私の場合腰痛持ちなのでシートの座り心地はとても大切。これはスバルの良いところだと思います。
残念ポイントはハンドルヒーターとシートクーラーがありません。アウトバックなき今、一応スバルのSUVトップモデルなのにコレはいただけないかな。なくても困りませんがあると便利ですよね。
ちなみに荷物満載にした場合、バックミラーで後ろが見えなくなりますが、この車はリアモニターに切り替え可能で荷物満載でもバックミラーが使えます(スマートリアビューミラー)。これは荷物を積む人にはわかると思いますがとっても便利。

リアシート
リアシートは今風に広くとられています。3分割になるのがいいかな。真ん中部分にスキー板挿せますね。USBソケットもあるし、エアコンの通風孔も付いています。リアシートはほぼ使わないのでどっちでもいいのですが、家族で乗る場合はあるとないとでは大違いじゃないかな。
ラゲッジ
広いです。リアゲートを開けた時点で幅の広さに驚き、リアシートを倒せばXVよりもかなり長いのが見ただけでわかります。。XVのテールからリアシートまでの容量は345L、レイバックは561L、床下のスペースはXVが5Lに対してレイバックは69L。合計で350Lに対して630L、圧倒的です。実際に寝てみると171センチの私でほんのちょっとシートが足りないくらいですが、フラットなこともあり、購入目的のひとつ「車中仮眠」は余裕でできそう。ポータブルバッテリーに電気毛布で挑戦予定。
大きくなった分、駐車等では気を使います。しかしながら前から見ると比較的四角なフォルムで見切りもいいため、XVより左右の感覚がわかりやすいです。私、駐車が下手くそでいつも斜めになりがちなのですが、この車はピッタリ真っ直ぐに収まりますw
本格的なキャンプだとルーフボックスが欲しいところですが、このサイズなら軽めのキャンプならこのままで行けそうです。
その他にもリアゲート側からリアシートを倒せたり、ゲートもキーを持って近づくだけで開いたり、細かなところまで機能満載です。
走行性能
エンジンはXVで全く感じなかった水平対向の良いところ感があります。XVの時は長時間走行後、横揺れな振動が体に残る気がして妙に気持ち悪かったのですが、レイバックではそれがありません。特筆すべきはマフラーの音。STIのマフラーがついていますが、ドロドロ言ってます。特にエンジン始動時の音が大き目で(すぐに落ち着きます)水平対向サウンドの主張が激しいです。この独特な水平対向サウンドは昔乗っていた初期フォレスターのターボ車と同じ、煩くもなく耳障りでもなく、重低音が響く感じで「心地良い」と感じます。

走ってみた印象ですが、最初に書いた通り、街中ではフワフワして鈍重な感じ。ハンドルのセンター近辺の反応が鈍く、ハッキリ言って期待外れでした。もっとシャープだと思っていたのです。街中をキビキビ走るという感じではないです。のんびり優雅に流す感じ。優雅でもないんですけどねw
さらに走りを確かめるためにいつもの「道志みち」へ行ってみました。そこで気付いたのは、くねくね道というか、ある程度速度が載ってくるとハンドリングがどんどんシャープになっていきます。非力に思えたエンジンも回し込むと充分早い。特にSモードで回すとちょっと怖いくらい。なんせトルクがあるのでコーナーの立ち上がりが気持ちいいです。ただし車高もあって車重もそこそこあるため、ブレーキがプアに感じます。急ブレーキ時は「止まり切れるのか?」と不安になります。「攻めこむ」というような運転よりも「ドライブを楽しむ」くらいがちょうどいいかな。ATでのんびり流して、マニュアルモードでその気になっても「それなりに応えてくれる」のは、私のようなおっさんにはいいんじゃないかと思います。もっと「走り」にこだわるならレヴォーグしかないと思います。車高が上がった分のフワフワ感は仕方のないところですが、このフワフワを前向きにとるかデメリットととるかでこの車の評価は分かれそう。私は余裕があっていいかなと感じています。
そしてこの車の真骨頂はやはり高速でしょう。アイサイトはもちろんアイサイトXがかなりいいです。Xだと何が違うのかというと、GPSと3D地図で自車位置を把握し、高速道路で50キロ以下の渋滞になるとインパネのアイサイトマークが緑から青になって手放し状態で走ってくれます。速度が上がってくると警告音とともにインジケータは緑に戻り、ハンドル操作をするよう警告が入ります。また50キロ以下になれば手放しOK状態に。ハンズフリー時はコーナーも手放しでOK。これちょっとすごいです。そして高速走行時はXVのときよりも更にレーンキープが強くなっていて、高剛性のフレームと相まって疑似ドイツ車っぽいハンドリングになります。安定性が高くこれはかなりいいです。東北道で120キロで走っていても全く不安にはなりません。時速70キロ以上で方向指示器を入れると自動でレーンチェンジもしてくれます。「こんなのいらないんじゃない?」と思ったのですが、斜め後ろの死角を認識してくれているので結構使い勝手は良いと感じます。更にはオートクルーズ中にカーブや料金所に近づくと自動で減速してくれます。これも前の定速バージョンよりかなり賢くなっていていいですね。私は基本高速はできる限り乗らない人間なのですが、この車だけは高速の渋滞を楽しみに高速に乗っていたりします(本末転倒w)視線をチェックされているので手放しで何かできるわけではないのですが、渋滞が楽しくなるのは事実ですw
移動手段として考えると、疲れ知らずでどこまでも走っていけそう。しかし燃費はやはり極悪で街中10前後・高速で13と、とても令和の車とは思えませんw
レヴォーグが走りに主眼を置いた快速ツアラーとすればレイバックは都会派SUVというよりも長距離移動をメインにした快適ツアラーでしょうか。
ナビ等電気系統
すべてタブレットのようななメインパネルで行いますが、各種設定は多岐に渡りすぎていて慣れるまでは面倒そうです。エンジンを止めるとリセットされる項目があってこれらのキャンセラーが別途必要。AVH(停車時にブレーキを踏みこみとしばらくブレーキがかかりっぱなしになる)はお気に入り機能なので常時ONにしたいところ。エンジン車なのでアイドリングストップも常時オフにしたいです(ハイブリッドでは不可)。
リモートサービス
リモートサービス(スマホで操作)にも対応しています(有料あり)。マツダでも感動しましたがこれがやはりいい。一見エンジンスターターの機能はなさそうなのですが「オートエアコン」がこれに準じていて、スマホからエアコンをオンにするとエンジンがかかってエアコンが効き始めます。実質のリモートエンジンスタートです。あとロックもリモートなのはうれしいところ。登山やスキーで「カギ閉めたっけ?」って、毎回心配になるのですw これらのリモートサービスは550円/月となっています。ちなみに中古車でも3年間は地図更新は無料、リモートサービスは車両登録月でいったん切れて次の所有者が名義変更して使う感じになります。
純正ドラレコ
今回は純正のドラレコも付いています。純正ドラレコは解像度が低いものの、アイサイト対策品ということでそのまま使うことにしました。一見フロントだけのドラレコなのですが、デジタルインナーミラーのカメラでリアの映像も記録しています。

こんな感じですから手を入れる余地はほとんどありません。
スバル車ならではの暖簾分けハーネスももちろん使えます。これを使って給電するとしたらコンソールのシガーソケットくらいかな?
ナビ周りは革新的だが性能は今ひとつ
Carplayは無線で、つながりも早くかなり便利です。Carplayのみインパネにも地図を表示可能。一方でAndroidAutoは有線なのに使いづらい印象。私の環境では接続もイマイチで「使い勝手悪い」と感じました。AIBoxは基本使えません(AndroidAutoを乗っ取るものならOK)。
またCarplayとAndroidAutoに関しては車両の信号がリンクしていないので、トンネル等で自車位置をロストしまくります。マツコネ2はこれが起きない(リンクしている)のにスバルは対応できていないというのは寂しい限り。これ出来ないと東京で迷っちゃうんですよね・・・ 最先端っぽいけどそうでもない。スバルらしいです・・・
またナビ自体の性能はかなり微妙です。地図更新は登録から3年間は新車でも中古車でも無料で更新。それ以降は2年で21,000円で更新可能。ナビ地図のほかにアイサイトX用の3D地図というのがあって、これの更新は期間問わず有料みたいです。こちらの地図はアイサイトXが適応すべき範囲(有料道路)を指定するためのものです。そして純正ナビの最大の欠点は私と相性が悪い。ボイスコントロールで何一つ理解してくれませんw 活舌は悪い方かもしれませんが、それにしても絶望的な認識精度です。ストレスにしかならない。でもトライしてしまうw
結果的にはAppleのMapナビを使う羽目になるのですが、私これ嫌いなんですよね・・・ きちんとナビしてほしい時にはやはりYahoo!カーナビですが、メーター表示地図に対応していません。
また私の環境というか使い方だと、走行中に「システム点検」というエラーが何度か出てきました。これはアイサイトXがGPSを失ったときに出ることがあるようで、心配になってディーラーでチェックしてもらいましたが機能的に問題はないとのことでした。軽微なエラーはアイサイトXだけが使用できない状態になります(通常のアイサイトは使用可能)。エンジン再始動でエラーも消えます。便利なようでちょっと不便かな。ただアイサイトXに関してはハンドルから手を離すという状態なので、リスクを考えるとこの仕様は仕方ないのかもしれません。この症状も普段はほとんど出ないけれど極稀に出るだけなので許容範囲かな。
オーディオは条件付きだがかなり良い
音楽関連は一応ハーマンカードンがついています。これはちょっと予想の上の音でビックリしました。音の層が出ていて、心地よさに浸れます。音自体は若干加工した感じがあるのは否めませんが、立体感があってヴォーカルがそれっぽく定位しており、それを中心に左右からいろいろな音が沸き上がります。これDIYでできてる人少ないやつです。左右の幅は狭いながらも心地よく響く感じがいい。ただし音量を上げすぎると一気に破綻して、かまぼこというか全体がゆがみます。これは2Wayの弱点かな。

音量低め(10か9)のBGM再生ならば、上から下まで心地いいバランス。中でも低音の質感・量感はタイトで厚みがあり、私の好みです。ここまでまとまっているとセンターユニットの拡張性の低さから考えると下手にいじらない方が良いと感じました。実際この車はいじらないと思います。
ただし音楽ソースに関しては基本Bluetoothなのでマニアは許さないかもしれません。CDはもちろんSDも使えません。USBを介してなら使えますが、現実的にはスマホをプレイヤーにする必要があり、となると音楽サブスクが欲しいところです。ただしAUX入力があるのでDAPでアナログ入力は可能。ただ現実問題余程のマニアでない限り今後のメインソースはスマホのサブスクサービスでしょう。この辺はもう時代の流れですね。
ちなみにCDはオプションで装着可能。1枚ずつ入れ替えなければいけないので使いづらそう。CDが入るなら、もしや1DIN規格かな?と一瞬色めき立ちましたが、専用サイズっぽいですw
レシプロSUVの最終形態かな?
スバルでいうとクロストレックとフォレスターがストロングハイブリッドになり人気なようです。おそらく次はレヴォーグとレイバックがハイブリッド化していくでしょう。しばらくはガソリン車も併売されると思いますが、2026年のスポーツカー規制ではマフラー音・走行音を下げる必要があり、そうなるとパワーも落ちる可能性があるので、その分をハイブリッドで補っていくのが自然の流れになると思います。ハイブリッド化すればバッテリーを積む必要があり、車内は制約を受け始めます。今回レイバックのトランク床下スペースを見て、その容量にびっくりしました。これが今後はなくなっていくわけです。となると、走りでも積載でも、今エンジン車買うってのは昭和な私にはありなのかなと、前回のロードスターの時もですが思いました。

世はSUV全盛です。おしゃれなSUVはかっこいいですが積載量に限界があって、おもちゃをたくさん積みたい私には魅力的とは思えません。一方で、デザインは微妙ながらも、レガシーからのワゴンスタイルを貫いている(脱却できずにいるともいいます)スバルはやっぱり常に候補になってきます。今の私の使い方からするとレイバックは100点満点とは言えませんかなり「ちょうどいい」車だと思います。しばらくこの車であちこち遊びに行こうと思います。
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