先日は高級オーディオの試聴で偉そうなことを書きましたが、今私が自分のカーオーディオに満足している大きな要因の一つをご紹介します。AudioControl社のラインドライバー「THREE.2」です。
アンプの効果
「良いとされるアンプを入れたけれど、思ったほど効果が出ない」私はそうでしたw 4AWGの電源引いて150Aのヒューズ入れて、ケーブル引き回しまくって、やっと繋いだのに、ちょっとしか音が良くなっていない。私ですw そのような方の盲点としてはバッテリーのマイナス側にもボディーから4AWGのアース引いておくと世界変わるかもしれません。私は激変しました。納得する音が出るようになりました。響きが違います。ただもっと上があるんです・・・アンプゲインの調整です。
アンプが本来の仕事をするにはゲインを音楽が歪む寸前まで近づける必要があるとされています。ゲインは信号の増幅幅で、この数値を絞るほど素の信号に近づき艶やかに、上げていくことで音に元気が出て、上げすぎると歪みます。個人の好みによってゲイン値は変わるので正解はありません。
で、一般的なゲイン調整方法。ヘッド>アンプの場合、通常アンプのゲインは「ヘッドアンプの一番おいしいところ(MAXの7~8割)にボリュームをセットして、自分の聞く音量ちょっと大きいくらいに、歪まないようにしてゲインを合わせる」といわれています。私の場合I-KのボリュームはMAX35なので28くらいにしてパワーアンプのゲインを合わせていました。するとT600.4のゲインメモリは5くらいがちょうどいい感じでした。
まぁつまみの半分くらいだしいいだろう。と思っていたのですが、ゲインを絞ると出てくる音は小さくなりますが、音の粗さが取れてつややかになってきます。逆に上げると音が荒々しくなり爆音になります。てことは、ヘッドのボリューム音量を維持してゲイン下げられたら、もっといい音になるのでは?となるわけで、ヘッドから出る素の信号がもっと大きければ(アンプへの入力信号が大きくなれば)アンプのゲインを絞ることができるんじゃないかと考えました。
そこで、ラインドライバー(プリアンプ)を入れてみることにしました。
ラインドライバーの効果
THREE.2の説明から私が翻訳
「パワーアンプが一番良好な状態で動作するにはハイボルテージ入力が必要とされています。一般的なヘッドユニットは1~2ボルトの出力で、フロントからアンプまでの距離がある場合、ケーブルの長さからノイズを拾うことがあります。ラインドライバーを入れることでヘッドユニット信号をハイボルテージ化することが可能になります。これによってアンプのゲインを絞ることが可能になります。アンプは音だけでなくノイズも増幅しますから、結果的にノイズを減らすことが可能になります。」
ヘッドとパワーアンプの間にラインドライバーを入れることで、パワーアンプの入力信号が大きくなるので、ゲインを絞ることができ、その副作用でノイズが減る(目立たなくなる)ということです。
AudioControl THREE.2
私が 選んだのは悩みに悩んでAudioControl社のTHREE.2。性能的には同社のFOUR.1iの方が良いのですが、FOUR.1iは2chなので、フロントのみハイボルテージとなります(さらに機器を足せば多ch可能。こちらのほうが良いと思います)。THREE.2は4.1ch。なので、前後スピーカーとサブまでハイボルテージ出力できます。またこれ、AUX入力3系統。ヘッドすらいらなくなります。音楽は全部スマホ、ラジオもスマホ、CD聞かないと割り切れればハーフDINのこれだけでカーオーディオ楽しめます。
サイズはハーフDINで1DINの半分。ここからフロント・リアはパワーアンプに、サブはパワードサブウーファーにRCAで接続します(ハイボルテージインプット対応が必要)。入力は一応I-Kのフロント出力からRCA接続、さらにiPhoneからミニジャックで入力するようにしました。
THREE.2のゲインは高めに設定します(マニュアルに設定方法があります)。ソースの音量を上げて固定、THREE.2に入力し、THREE.2のゲインをいじります。過入力になるとランプが点灯するので、点灯する寸前でOK。その後パワーアンプに繋ぎ(ゲイン最小)、音出ししてみると・・・これだけで泣きました。まず素でラウドネスがかかったようなつややかな響きになります。T600ってここまで響くのか!ってくらいきれいな音色です。さらにここからアンプの歪む手前までゲインを上げれば調整完了。いろいろ試していますが、今だと最小値の1で運用しています。
またこの機器、各種調整が今更ながら目から鱗。FaderやSW出力、EQがすべてアナログボリュームというのがものすごく便利です。デッキ内蔵のデジタルだと1ノッチで定位がすっ飛んで移動してしまうところを、アナログなので微調整できます。曲によって低音が足りなければSWボリュームで低音を上げることができますし、EQは簡略な4系統なのでシンプルでわかりやすいです。
注意点としては、デフォルトでSWとFRのクロスオーバーが入っていて、90hz-24db/octのハイパス・ローパスが設定できるようになっています。内部コンデンサを入れ替えればクロスポイントの変更は可能ですが、流石にそこまではできません。また私は絶壁スロープはまだわからないので、内部のジャンパーですべてフルレンジ出力にして使用しています。ヘッドからは2ch入力しかできないので、クロスはパッシブで行う必要があります。THREE.2を入れる前にI-Kのデジタルクロスオーバーで、自分の好みの環境をパッシブで作り、その数値を元にアナログで組むことになります。私の場合、フロントのハイパスはコンデンサでアナログクロス、リアはクロスなしのフルレンジ出力、サブウーファーはTS-WH1000AをLPF-ONでリモートコントロールにしています。ちなみにサブは製品の仕様上-12db/oct固定です。ちなみにこのSW、ハイレベルインプットに対応してくれていて、音が出ないどころか、いい感じで超低音鳴ります。ちょっと硬い音なのが残念ですが・・・ 小難しいことを書いていますが、順を追ってハマっていれば当たり前の流れだと思いますw
まぁラインアンプ・プリアンプ自体、日本ではあまり聞かない機器で、尚且つ微妙にお高いので怪しさ満点ですが、アメリカのAMAZONで購入しました。FOUR.1iは日本でも売っているのにコレは売られてないんですよね。外部アンプを使っている人は試す価値ありだと思います。さらなる高みはFOUR.1i+EQXのようですが、もうこれ以上機器を増やしたくないのと、これ以上ハマったら終われないので選びましたw 中途半端な知識で手を入れてしまいましたが、ラインアンプはアリだと思います。
もしUSAmazonから購入の場合はAmazon取扱品をお勧めします。値段もいろいろあって怪しさ満点なのでw
ちなみにデメリットとしては・・・
①良くも悪くもハーフDIN。DINボックスに納めるにもハーフDINの小物入れが無いのでアルミ板で自作する羽目に。またDINボックス外につけるにも配線の問題で場所が無かったのが残念でした。外部につけられればナビつけられたのに・・・
②I-K700の機能の7割消失w I-Kから2ch出力なのでデジクロが一切意味なくなってしまいます。
③ラインドライバーは機器が追加される分、音質が落ちるという話も聞きます。フィルターがかかったような音になるともいわれますが、私はこれは感じませんでした。
しかしこれらのデメリットを補って余りある音質アップは確実です。
今までカーオーディオやっていて受けた衝撃(いい意味で)は
①前方定位理解したとき
ヴォーカルが空中浮遊していて驚いた。どこから聞いても定位場所が同じで感動。
②楽ナビ>I-Kに変更した時
ボリュームと出てくる音が連動していて、いくらいじってもいい音にならなかった楽ナビシステムが、ヘッドの変更で実はかなりいい音になっていたのを実感して泣いたw
③T600用にバッテリーにアース追加したとき
値段と苦労の割にしょぼいと思っていたT600の音が激変して感動した
④デッドニング剥がしたとき
実は低音がドカドカ出ることに気づき驚いた
なのですが、今回は3番目くらいにランクインする衝撃を受けました。今後車をいじる際にもこれは外せません!アンプを使っている人は騙されたと思ってチャレンジしてみてください。
コメント
こんにちは。
こちらのブログを参考にさせて頂き、私もTHREE.2を購入しました。
クロスオーバーのジャンパーピンの設定でお聞きしたいのですが、
私もTHREE.2のクロスオーバーはバイパスさせるつもりです。
基板上の12と13がそれにあたると思いますが、どちらがフロント+リア?
それともどちらかがフロントのみ?サブは?ということが、
マニュアル見てもわかりませんでした。
audioconntrolにもメールでたずねていますが返信あるかどうか?
もしよろしければ教えていただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
片方がフロント+リア、片方がサブだと思います。だいぶ前に設定したきりなので、近々開けてみますね。答えになっていなくてすみません。
ご返信ありがとうございます。
片方がフロント、片方がリアだったらサブは強制的に
かかるのかなと気になったものでして。
どちらもバイパスさせるので、わざわざ確認していただく
お手数はかけて頂かなくても大丈夫です。
audioconntrolからもし返信があればこちらに報告させていただきます。
ありがとうございました。
マニュアルの10ページ、配線例を見ると、ハイパスはフロント+リア、サブはローパスと記載されていますね。間違いないと思います。
こんなところに書かれていたのですね。
見落としておりました。
ありがとうございます。
こんにちは。ラインドライバーを調べておりましたらtyuruさんのページに辿り着きました。クラリオンのイコライザーとか海外は豊富な種類があるのですが、tyuruさんがオーディオコントロールを選んだ決め手はこれ1つで4.1chになる以外で何かございますか?
宜しくお願いいたします。
決め手というかラインドライバーは元々入れる前提で考えていて、日本のメーカー・ショップ・レビュー記事はそれまでの経緯から全くあてにならないと思っていたので、USAmazonにあるクラリオン・Four.1i・そしてTHREE.2が入手しやすく候補となっていました。
オデコンを考えていたのは知恵袋のAさんがオデコンのFour.1iは勧めていらっしゃったので「まぁTHREE.2でもいいか」なところもありますw
一番の決め手はおっしゃる通り4.1chできること。これ結構DIYの手間を考えるとでかいです。
そして次が本家のマニュアルを見ていて「ゲインがインジケーターでわかること」です。未だにメインアンプのゲインの正解というのはわかりませんが、ラインドライバーに関しては「ソースを歪まずに出力する」というのがありますから、インジケータでわかるのはでかいです。
実際にゲインを上げすぎるとすぐ歪むので、その一歩手前を教えてくれるのはありがたいですね。THREE.2できちんとゲインを出してあげればメインアンプのゲインは半分も上げなくて良いので、好みの音色を探すだけです。私のメインアンプゲインはほぼ最小に近いところです。
あともう一点。AUX3系統入力も良いです。実際は2系統で事足りていますが、メインユニットで1、もう一つをスマホをソースとしてダイレクトでアナログ入力できるのが良いです。メインユニットを通すより、スマホに入っているロスレス録音のソースをTHREE.2に入力する方が音はいいですネ。
詳しく書いてくださりありがとうございます。知恵袋のAさんでクスッときました。ゲインがインジケーターで判るのは大きいですね。あまり機器を増やすと混乱しそうなのでシンプルにいきたいと思います。
すみません、また書かせていただきます。
カーオーディオでのプリアンプにおける記事はネットでもかなり少なく、大変参考になりました。
自分もDAPからauxでヘッドに繋ぎ、アンプで増幅の流れなんですが、「心地よい大音量」の前に音が割れるんですよね。
ケンウッドのヘッドを使用していますが、ボリューム20を超えるあたりから、プリの限界が見えてくる感じがします。
きちんとした大音量なら、プリとパワーは分けるのが必要ですね。
とりあえず私はラインドライバーを間にかませてしのげるかやりたいと思っています。
うまくいかないなら、私も1din入れようかなw
楽しく読ませていただきました。
ありがとうございます。
機材がわかりませんが(わかっても答えられる自信はありませんがw)、DAPのボリュームが大きすぎるんじゃないでしょうか。
私の場合はiPhoneをDAP代わりにしていますが、MAXだと歪むのでユニットボリューム開け気味で、iPhone側を落としていました。
それ以外だとデッキの設定でアンプをバイパス(できるならば)か、アンプゲイン絞るかかな。
大音量のレベルも個人差あるので何とも言えませんがプリはあったほうが何かと便利ですね。設置場所に困るので(美しくない)お勧めはしがたいです。まぁでも世間一般で行ったらプリ入れる人はほとんどいないわけで、ご自身のスタイルに合わせて「自分が決めろ!」でしょうかw
コメントありがとうございます。
DAPはibassoのDX150という機種を使用しています。
140までボリュームメモリがあり、105くらいで聞いています。
それ以上だと、一部の曲が割れ始めるのでギリギリかなと。
ヘッドのauxの入力電圧が1Vまでしかないので、そこを変えないと変わらないのかなとか考えています。
自分で決めろ、正にそうですねw
プリ部を大事にする方は貴重なので、色々書きたくなってしまいますw
適当に流してくださいww