BESV PSA1

4.5
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 ここ数年買おう買おうとおもいつつタイミングがわからずに買いきれなかったe-bikeを買いました。最新型どころか既に発売から数年経っている台湾BESVのPSA1です。

ペダルとグリップは変更済み フロントとリアのフェンダーがつけてあります
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e-bikeとは

絶賛進化中

 e-bikeってカッコよく言っているだけで、実際は電動アシスト自転車です。自転車に乗っていて坂などで抵抗が増えた場合、モーターが人力をアシストしてくれてペダルが軽くなって楽ちんになります。最近だと子育て中のお母さんがみなさんこれに乗っていますよね。子供を前後に乗せて激坂をグイグイ上っていく様はカッコいいとさえ思えますw

 このアシスト自転車の波は 年々進化を続けながら、ママチャリのみならず、折り畳み自転車から本格的スポーツ車まで様々な自転車に普及してきています。アシストパワーの効率化・軽量化・航続距離の延長(バッテリーの効率化)などなど、各社しのぎを削っています。

24キロ規制

 絶賛進化中のアシスト自転車ですが、意外な落とし穴というか縛りがあります。日本では時速24キロまでアシストするものがアシスト自転車と法律で決められていて、これ以上の速度をアシストする車両は原付扱いとなり、ナンバーやウィンカーが必要、ドライバーには免許が必要となります。

つまり「e-bikeのアシストは時速24キロまで」と規制されているのです。

 街中を走る場合、24キロというのはママチャリでは結構なスピードですが、ロードバイクだと流しているようなスピード。実際遅いと感じるレベルです。24キロを超えたとたんアシストは0になり、急にペダルが重くなります。

 アシストが切れたe-bikeはただの重い自転車。普通の約4倍の重さの自転車を必死でこぐ羽目になります。私自身はコレがe-bikeを買いきれなかった理由なのですが、24キロ以下でで楽しめる遊び方をするならば良いのではないかと考えました。

きっかけ

 きっかけは西湖紅葉台のトレイルを歩いていてふと思った「e-bikeでここ走るとどんな感じなんだろ?」これに尽きます。アップダウンはそれなりにありますが、階段や大きな岩の箇所はほぼ無いので、自転車でも十分走ることができそうです。山の中なら速度は出せないし、坂道が楽になるならe-bikeはかなり使い勝手がいいのではないかと考えました。トレイルを自転車で走っていいのかを調べてみると、規制は特にありませんでした(これは各自治体やトレイルによって規制されている可能性もあるので要確認です)。

 西湖以外にも、今まで登山をやっていて通った林道や遊歩道・秘境感満載の道など、思い返しただけでも「あそこはe-bikeでも面白いだろうな・・・」なんて道が浮かんでは消えていきます。ワクワクしだしたらもう止まりません。そうなったら「まだ買い時ではない!」という心のブレーキは効きませんでしたw

 もともと持っていたDAHONも本来は車に積んでおいて旅先でポタリング(あてもなくブラブラするサイクリング)を愉しむはずだったのですが、高級車過ぎてうかうか駐車もできないとか、いざ乗ってしまうとブラブラどころか必死になって漕ぐことが多く、景色も見ずにひたすら走るという、理想と現実のズレがありました。今ではほぼ壁の飾り、たまにダイエットマシンとなるくらいだったりします。e-bikeならスピードも限定されるし、もうちょっと心に余裕をもって乗ることができるかなと・・・

 ただし今回はいきなり高級車ではなく、最低限の性能をもったe-bikeから始めることにしました。e-bikeはなんだかんだまだ高価だと思います。初級レベルで始めて、だめなら家の周りのおつかい用にできるし、面白ければ改めてランクアップすればいいかなと考えたのです。

BESV PSA1

 私がPSA1を選んだ理由の7割はここのサイトが強烈に私の物欲を刺激してくれたおかげです。山の中をPSA1で疾走している動画を見て「これだよ・・・」と思いました。

 BESVは台湾のe-bikeメーカー。PSA1はその中でもエントリーモデルになります。発売は2017年。今、進化しまくっているe-bikeにあって、ちょっと古すぎると思うのですが、なかなかこれを上回るe-bikeが見つけられず、実績のあるこのe-bikeに決めました。PSA1の性能を上回るe-bikeはいくらでもありますが、私の琴線に触れる製品が無かった感じです。ちなみに発売以降ハードはほとんど変わっていませんがアシストエンジン(プログラム)は進化しているようですね。

 敢えてちょっと設計の古いPSA1にした理由は・・・

小型(たためなくてOK)

 XV、あわよくばTTSに積める大きさ。さすがにTTSは無理だと思いますがPSA1はフロントがクイック(簡単に前輪が外れる)なので積めます。重量は軽いに越したことはありません。輪行は(電車を使ったポタリング)考えていません。

 折り畳みは構造上どうしてもフレームが弱くなるのをDAHONで感じていたので、簡単な林道でもフレームへの負荷が大きいと考え、折りたためない自転車がよかったのです。

フルサス

 林道を中心に考えているので、おもちゃみたいなものでもいいので前後サスペンションが必要と考えました。ミニベロタイプは比較的フルサスのものが多いですが、重量が20キロを超えているものが多く、サスのフルボトム(底突き)が心配。PSA1は20キロ弱ということで軽量な部類になります。ちなみにPSA1はメーカー的には街乗り用です。

平均的な性能

 日本は時速24キロでリミッター(アシストが切れる)なので、どんなe-bikeもモーター性能的には余裕があります。リミッター解除してしまうと(基本出来ません)原付扱いになって登録が必要になります。ですから市街地でのe-bikeは重いこともあってスピード的には人力にはかないません(坂とか向かい風はe-bikeの方が楽です)。e-bikeに今求められているのは、軽さと1バッテリーの稼働距離。20kgと100kmが一つの目安ですが、PSA1はこのバランスが良いです(19.6kg/80km)。

 おそらくPSA1の上となると価格が倍になってきます。40万円となるとコロコロ買い替えることもできないし(20万もなかなかですけどねw)、e-bike自体が絶賛進化中なのですぐにスペックが古くなっちゃうかもしれないという怖さもあります。手始めはPSA1くらいがちょうどいいかな。

PSA1乗ってみた

 私今までe-bikeには一度も乗ったことがありません。イメージ的には「坂をグイグイ上るタフなママさん」のイメージのみ!w 実際に乗ってみると色々な面で予想と実際が違っていました。

いいと感じたところ

ディスクブレーキ

 厳密にはワイヤー式(機械式)ディスクブレーキなので、そこまで効果は無いのですが、気分的にかなりガツンと効く感じで好印象。

鳴きがありますがアタリが出れば直るのかな?

思ったほど楽ではないけれど楽

 ギアとアシスト力のバランスが重要なようで、どんな坂でもグイグイ上れるわけではないというのはちょっと残念に思ったのですが、適切なギアで軽めに回せるようになると、驚くくらい楽になります。

 印象的なのは漕ぎ始め。普通の自転車だとギアを低めにして「ヨイショ!」という感じですが、一番重いギアでも「ススッ」と立ち上がります。「ススッ」より「グググッ」かな?

おもちゃみたいなサスながらかなり効いている

 太めのタイヤも相まって車道の端の継ぎ目や歩道との段差など全く気になりません。前後ともちょっとフニャフニャに感じますが、街乗り前提ならこんなものかな?階段は下れませんw

こんなサスでもあるとないとでは違います ちょっと動きが渋いかな?

時速20キロの楽しさ

 e-bikeに乗って一番良かったのはここかな。24キロ以上出すとペダルが重くて辛いので、時速20キロを目処に乗っているのですが、これが絶妙に楽しい。ミニベロ(小型自転車)ということで公園なども普通に入っていけるし、向かい風でも坂でも20kmで走れるというのがとても気持ちいいです。これぞ「ポタリング!」という感じで無駄に遠回りしたり、わざわざ急坂を選んで走ったり、今までの自転車とは違った面白さがあります。

 

ポイント

 100キロほど走って感じたのは、緩急のある今までの自転車に対して、e-bikeはずっと同じ負荷のままひたすら走れるというのが凄いです。

 アシストがあったらダイエットには向かないななんて思っていましたが、瞬間的に疲れないのでひたすら乗り続けて、気づいたらものすごく疲れているというような、ジョギングやLSD的な効果があると感じます。実際40キロ乗ったら疲労でかなり体が重くなって驚きました。気分的にはそんなに疲れていないはずなのですが、負荷がしっかりかかっていたということだと思います。ダイエット効果も侮れなさそう。

思っていたのと違ったところ

カギがない

 バッテリーのキーはありますが、自転車自体のいわゆるロックが無いです。どうしてこの状態で市販したのか謎ですが、このe-bikeはバッテリーが抜いてあっても普通に乗ることができてしまいます。だから盗み放題・・・ ちょっとこれは理解不能です。最新のe-bikeだと指紋認証とかスマホロックがあるのに非常に残念なポイントです。

パーツが意外にショボい

 カギが無いのも凄いですが、所詮エントリーモデルなのかパーツもショボいと感じるものが多いです。一番はペダルがショボくて小さい。その他にもちょこちょこ気になる部分が多く、DIYでいじることになりそうです。

Break

 乗り始め、販売店の納車整備がほとんどされていなかったようで、ブレーキが擦っていたりチェーンが落ちまくったりと、いろいろ問題点がありました。「20万払ってこのレベルかよ!」と思いつつ自分でフロントブレーキとリアディレーラーを調整したらびっくりするくらい乗りやすくなったので、車に続き、自転車屋さんも信じられなくなりましたw

ペダルはすぐにshimanoに変えました 面が広くなると踏みやすくてパワーがガッツリ入力される感じです

直感的に乗れなかった

 最初キーをONにして乗って「これアシスト効いているのかな?」なんて感じで乗っていたのですが、まったく効いていない、ただの重い自転車でしたw キーをONにしてアシストモードを指定しないとダメなんですね・・・

ギアが足りない

 長く乗っていて、20キロ前後の巡航をするときに丁度いいギアが足りないと感じました。4速は軽すぎて5速はちょい重いかな。4・5・6速あたりにもうちょいギアが欲しいと感じました。

予備バッテリーが高い

 45000円・・・ これはちょっと悩みます。ロングライドをどれくらいするかわからないので、とりあえずは様子見かな。林道に持ち込んで消費量を見ながら考えるつもりです。

ポイント

 いろいろと改善すべき点はありそうです。PSA1に対してPS1という上位モデルがありますが、こちらはPSA1のネガ要素をだいぶ改善されています(PS1の廉価版がPSA1)。10速・油圧ブレーキ・カーボンフレームなど。金額的に10万違いますが、いじることを考えるとPS1も悪くないなと感じます。

 私の場合はe-bike最初の1台ということで、PSA1で満足していますし、おそらくあれこれ手を入れて結局劣化PS1にしそうです。まぁそれが楽しみのひとつだったりしますが。ただ根本的なグレードアップをしたいと感じたらフルサイズに買い替えると思います。

e-bikeおもしろいかも?

 「風を切って走る」ロードバイクに対して「風と共に走る」的なe-bike。e-bikeはロードバイクで厳しかった坂や向かい風がモーターの力で苦にならなくなる一方、スピード感を愉しめないというジレンマがあります。スポーツライクなロードバイクに対して、構えず気楽に乗れるのがe-bikeというのが私の率直な印象です。

 「のんびり走る」というのが普段自転車に乗らない私にはとても新鮮で、ウォーキングの進化版的な面白さがあります。交通機関では見過ごしてしまうような景色をe-bikeによって発見したり、坂が怖くないので今まで通らなかった道にも気兼ねなく突っ込んでいけるというのが楽しいです。

 ぶっちゃけDAHONを買った時よりワクワク感は大きいです。近々にトレイルに行ってこようと思っていて、とりあえずはタイヤ待ち(ブロックタイヤ買いましたw)です。

 

 

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