MINI (F55LCI2)のコーディング

スポンサーリンク

 この記事は車のECUをいじるので車が不動になるとか、装備が思ったように動作しない等「不具合を起こすリスク」があります。もしやってみようという場合は自己責任でお願いします。
 コーディングとはちょっと違いますが、一部トヨタ車・マツダ車では社外品(テレビキャンセラーなど)の利用でECUがバグるという問題が出ているようです(実際はちょっと考えればそりゃダメだろってレベルの話ですが・・・
)。

 前回MINIの個人的インプレ記事を書きましたが、今のMINIはTTS同様、車のコンピュータ(ECU)を書き換えることで様々な機能を自分用にチューニングすることが可能です。今回はこのチューニング(コーディング)で、前回挙げたネガ部分を修正し、より「自分に合ったMINI」に仕上げてみたいと思います。

スポンサーリンク

コーディング(Coding)とは

 最近の車はコンピューターで制御されていて、不具合の発見や様々な機能の制御をメインコンピュータ(ECU)で行っています。車体にはOBDソケットが備えられており、そこからECUにアクセスしてデータを読み込んだり書き換えたりすることができるようになっています。このECUの書き換えをコーディング(Coding)といいます。

 また車は製造時にはフルスペックで作ってあって、販売する国々の交通法規に従ってECUで機能を調整・制限しています。コーディングによってこれらの調整や制限を自分用に変更することが可能になります。

 もちろんコーディングをしないでも十分車の性能は発揮できますが、MINIに関していうと「なんでこれ制限しちゃってんの?」という機能も多く(私がネガに感じた部分)、むしろコーディングによって秘めた能力を解放することが可能です。ただしメーカーが封印しているのも頷けるリスクもあるので注意です(後述)。

コーディングのデメリット

 先にリスクを挙げておきます

・難解
 車いじり得意な人、仕組みがわかっている人ならばそんなに難しくはないと思います。知らない人にとっては難解です。

・怖い
 車の脳みそをいじるわけですから、「失敗したら動かなくなるのではないか」とか「おかしくなっちゃうんじゃないか」という恐怖感があります。そもそもメーカーはいろいろ検証した上で販売しているわけで、それをいじくりまわすのだからちょっと背徳感もあります。また実際に診断機でエラーが出てしまう場合もあります。

・ディーラー保証が効かなくなるリスクがある
 どうでもいい制御はともかく、安全運転機能をいじったりすると、いざ何かが起きたときにディーラーに見放される可能性があります。メーカーが推奨しない扱い方をするのですから当然です。私はどこまで許されるかはなんとなく確認しました

・ちなみにECU交換となると数十万なんて話も聞きます。

コーディングのメリット

 そんなリスクしかないようにみえるコーディングですが、リターンは人によってはデカいです。メリットはズバリ

 車を自分仕様に仕上げられる

 ことでしょう。調べてみると予想以上にいじれる範囲が広いです。

 ちなみに新車でやるのはメーカー保証の絡みがあるのでよく考えたほうが良いです。中古車の場合は自己責任です。

コーディングの方法

 今の世の中恐ろしいもので、一番簡単な方法はAmazonでインターフェースを購入してスマホからアプリでポチポチでできちゃいます。難しいものはパソコンを使って作業することで、簡単なものよりもより深くいじることが可能になります(ただしリスクも増えていきます)。

 また、自分でいじる自信が無いとか面倒な場合は対応してくれるショップがあります。その手のショップのWebを見ると、かなりの人がコーディングをしているのがわかります。逆に言えば商売になるくらいメリットがあるということです

簡単・お手軽・低リスク・範囲狭な方法

 下のインターフェースを車のOBDポートに挿し込んで、スマホアプリ(3000円超)で操作します。

 私は下の方法なので実際には使っていませんが、レビューを見る限りかなり簡単な模様。リスクも低めです。

難解・ハードル高め・高リスク・ほぼフルアクセス

 私は当然修羅モードw

 このコードを使ってパソコンと繋ぎます(上のワイヤレスでも環境があれば可能です)。パソコン側に有線LANジャックが必要。ちなみにこれはAmazonで買うより、こちらでマニュアル付きのものを買うのが良いです。マニュアルがないと最初は何もわからないレベルです。また車速制限なしのオートクルーズ(Stop&Go)が欲しい場合は(車両装備の制限があります)コレも一緒に買っておいた方が良いです。

 最近のノートにはLANポートが無いのでハブをかませます。

 後はパソコンですね。私はWindows11のノートパソコンでやっています。

 ノートパソコンの場合、一応マニュアル通りにやればいいのですが、相応の知識が無いとインストールすらできないかもしれません。ハードルはかなり高いです。

さらに深淵に踏み込む場合(ある意味簡単)

 上のセットの場合、2021年2月製造までMINI(LCI1)ならフルアクセスでコーディングが可能。2021年3月以降はLCI2世代となり(メーターがフルフラットパネル仕様)ECUの仕組みが変わっていて一部コードにマスクがかかっており、アクセスできません。このマスクを取っ払うソフトが必要になります。それが・・・

BimmerUtility

このソフトはPC・スマホでコーディング可能らしいですが、私はPCしか使っていません。

 上のパソコン接続セットはそのままでこのソフトを使います。ちなみにMINIでここまでやるのは行き過ぎだとおもいますが、LCI2の車両でしか実装できない機能があります(使うかどうかはわかりませんw)。LCI1までなら上の方法、LCI2以降なら最初からショップに頼む方が正解だと思います。

 私の場合は修羅モードですし、乗り掛かった舟なので「全ての隠されたパワーを自力で引き出したい」という欲望だけで買いましたw コスパはショップよりは良いですが、最初から知っていたらショップに行っていたかもw 但し、うまくいったときの感動はプライスレス!

 ちなみにパソコンをある程度使える前提で全くコーディングの知識が無い場合、このソフトで始めちゃうのが実は正解かもしれない。とにかくインターフェースが使いやすく、仕組みさえ理解してしまえばえらくラクチン。109ドルの価値はあります。しかし何度も言いますがLCI2のMINIの場合、このソフトが必要になるのは2つの機能だけです。具体的にはNPI(追い越し禁止警告)とLIM(制限速度アシスト)のみ。

実際にコーディングした部分・できる部分

こんな感じでコーディングしています。PCの容量の都合で外付けSSDを使っています。

 私が実際にコーディングした部分と、世間一般によく使われている機能をリンクで紹介します。年式や車種・装備によってできる場合できない場合があります。例えばカメラのない車で安全運転支援はできないなど。

インターフェース機器とスマホアプリBimmercode(課金なし)でコーディング

 スマホコーディングの場合、インターフェースが1万円くらい。それを買えばこれらのコーディングが可能です。

アイドリングストップ常時オフ

 これはもう言わずもがな。コーディングはこれだけできればよかった・・・はずなのですが、これだけでは終われませんでした。これをオンにすると通常とは逆、つまり常にアイドリングストップはオフの状態になり、スイッチでONにするようになります。

丸のところが常に点きっぱなし(アイドリングストップオフ状態)になります

アイドリングストップメモリー

 アイドリングストップはエンジンを切った場合、次のエンジンスタートで通常はON、上のコーディングをしていた場合はOFFで立ち上がるようになります。このメモリーをONにしておくと、エンジンを切る前の状態が維持されるようになります。つまり再始動の際も上の写真のインジケータは転倒した状態になります。

スマート・クローズの動作開始遅延

 MINIは車から降りた場合、キーかドアノブのボタンを長押しすることでミラーをたたみますが、この時間が意外に長い。通常1.5秒ですがこれを0(即時)に設定します。

iDrive起動時に表示される警告を無効化

 エンジンをかけるたびに法令順守的な警告が出ますが、これを消します。

その他一覧

インターフェース機器とスマホアプリ(課金あり)でコーディング

 インターフェース1万円、アプリは時価(為替変動によります)3000円~5000円くらいかな。人によってはやってみたいコーディングがあるかも?

ナビ時刻自動補正

 MINIはなぜか時計がGPSと連動していないので、ナビの時間と連動させます。

走行中の動画再生

 LCI2の場合、基本、動画を再生できませんが、できるようにした場合車速検知でロック画面になるのをキャンセルします。いわゆるTVキャンセラー。

 ちなみにこれはコーディングしないでも、車種によりますが、iDriveのダイヤルを前方に倒したままMEDIA>MENU>MEDIAとするとキャンセルするかナビ画面に出てきます。

その他一覧

インターフェース機器とパソコンでコーディング

 実は安い。パソコンを持っているならこれもあり。5800円。ただしソフトが狂ったように容量を食うので要注意。私は外付けドライブを使っていて350G領域を使ってました。Stop&Goのマニュアルが3000円。合わせて買えば結局1万円ですね。これで1万円ってかなり安いです。

 ほぼフルアクセス。LCI1までのMINIならフルアクセス。この辺りから秘められた力が解放されます。

禁忌になっているのはそれなりの理由があります。絶対的な信頼はできません。

一番の問題点は単眼カメラによる認識の甘さと日本の交通事情です。注意すべきポイントも書いておきます。

Android Screen Mirroring

 ワイヤレスCarPlayでは動画再生ができない。Carlinkitも使えない。要は動画やテレビは基本見ることができません。このコーディングをすれば、スマホをつけっぱしにする必要がありますがAndroidの画面を再生可能になります。YoutubeやNetflix等動画サービスもみることが可能。

文字の重なりの直し方誰か教えてくださいw
画面を横向きにすれば横画面になるし、アプリ制御にすればフルスクリーンで見ることが可能。

レーンデパーチャーウォーニング機能拡張

 車線を踏みそうになるとハンドルがブルブル震える機能。これは通常60キロ以上でないと動作しません。そもそも論として、このブルブルを強くしたかったのですがそれは無理。ならばもっと低い速度で機能するようにしたいということで、私の車は30キロから発動します。発動して解除されるのは25キロに設定しました。下の動画で確認できます。

Stop&Go有効化

 MINIは30キロ以下でACCが解除されます。このコーディングをするとACCが解除されず、前車が止まればこちらも止まります。短時間なら再発進も車任せ。アクセルかハンドルのRESボタンで再発進します。つまりアクセルとブレーキを自動で制御してくれます。

 ただし過信は禁物、環境・速度によって前車の認識が甘い時があり、車任せだと事故になるレベルに感じます。MINIの前方認識能力は非常に低いことを肝に銘じておきましょう。

 下のACC最低速度変更と組み合わせると神機能です。

ACC・DCC最低速度変更

 ACCの設定は30キロにならないとできませんが、これを1キロから設定できるようになります。通常はクルーズコントロール不可と出ますがこれがなくなります。

 発進と同時にACCをONにすればS&Gとの連携でアクセル・ブレーキ操作がほぼなくなります。高速道路の渋滞時など一度使ったら病みつき必死です

SLI(LCI1はNPIも可能・LCI2は要FSCコード)

 Speed Limit Info。こんな機能があるなんて知らなかったのでびっくりしました。母が「MINIは知らないうちにスピードが出て違反しちゃいそう」と言っていたのでぜひ実現したかったが大変でしたw

 メーターパネルにカメラで読み込んだ標識の制限速度が表示されます。標識が無い場合は60キロ。ただしこれも誤認識アリです。例えば高速が並走している直線道路の場合など、距離とタイミング次第ですが、高速道路の標識を認識しちゃいますw ですから信じちゃいけません。ただ、知らない道を走っていて「ここ制限速度いくつだろ?」って結構あるので参考にはなります。

 LCI1までのMINIならばこのコーディングは難しくはありません。LCI2の場合別途FSCコードが必要で、これが結構高い。私はドイツのショップから7000円くらいで購入しました。海外サイトで購入するとメールでコードが送られてきます。私はこれに気づくのに1週間はかかりましたw

 SLIとセットで出てくるのがNPI。これはSLI同様、カメラで追い越し禁止を認識するとメーターに追い越し禁止マークが出てきます。これをLCI2で出すのが至難の業で、さらにソフト購入が必要になります。

インターフェース機器とパソコンと専用ソフトでコーディング

 上の費用1万円にFSCコード代7000円、さらにソフト代で109ドル(今だと17000円)、合計34000円かかってますwコレ、ショップだと5万円くらいかかるのかな?もっと安いかもしれません。ね?手間を考えるとショップでやった方がよさそうでしょ?w

 LCI1までとLCI2以降の差はECUにマスク(暗号化)がかかっていることです。どこをコーディングするかがわかりづらくなっています。解析しちゃう人もいますが、現状ネット上ではこの方法は公開されていないと思います。私はマスクされていることすらわからず1週間悩みましたw みんカラで質問をしてメールのやり取りをしているうちに暗号化されていると知り、ソフトを購入したら3分でコーディングできましたw 安くはなかったですが達成感はハンパなかったですw

NPI

 表示されてしまえばなんてことない機能です。そもそも日本は黄色線が追い越し禁止ですからw 追い越し禁止の標識は少ないので、車が速過ぎると認識できなかったりするし、追い越し禁止区間の「終わり標識」を認識できないので、一般道で追い越し禁止表示になっていたりします。これは実際自己満足の世界です・・・

LIM機能拡張(LCI2のみ)

 SLI・NPIを調べていて気になったのがBMWについているSLAという機能。Speed Limit Assistだと思うのですが、認識した標識の速度に対して速度を制御するというものです。今のBMWは第8世代のiDriveで、クルーズコントロール併用で、全自動でこの機能を使えるようなのですが、MINIは未だに第6世代iDriveのため(ここで差をつけるのかよ・・・)SLAほどのことはできず、かなり限定的な状態で手動SLAを使えるようになります。クルーズコントロールとは併用不可・制御は手動です。が、何故そこに存在するのか意味不明だったLIMボタンが生き返ります

 通常LIMボタンは押すと30キロ以上スピードがでなくなって、手動調整で限界速度をいちいち変えることになります。何故それが必要なのかわからなかったのですが、このコーディングをすると、SLIで認識した制限速度のプラスマイナス10キロを一発(一回ポチッ)で変更できるようになります。何を言っているのかわからないと思うので動画でw

 ものすごく便利に見えますが最初しか使わないかなw SLIが信用ならないとかLIMかかると走りづらいというのが本音です。なくても全く問題ない。けれど「使える」という事実がうれしいという精神的にすっきりできる機能ですw 

 MINI乗りに出会ったときに「SLIとかNPI使える?俺のはLIMまでイケるよ?」という感じです・・・

コーディングあり?なし?

 コーディングによってMINIは使いやすくなります。特にStop&Goは使い勝手が格段に上がります。上記のモノ以外にはスポーツモードの上のスポーツモード+を使えるようにしたり、バック時のミラー角度を変更したりといろいろいじることが出来ます。

 問題はやはり保証の部分でしょう。ディーラーは推奨はしませんし、ショップは自分のところでやった車両はある程度診てくれるでしょうが、DIYで失敗した場合は自己責任となります。

 実際問題コーディング失敗によって不動になったという実例は見たことがありませんが、絶対にないとは言い切れません。

 最後はやはり自己責任。よく考えて「やるかやらないか」決めましょう。私はアイドリングストップとStop&Goは必須だと思います。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました