スピーカーと口径
2chと多chの話は別の機会で。今回は口径の話。
これからカーオーディオやってみようかなという場合。高確率でまずスピーカーを探す。「なるべく簡単につけたい」と考えた場合、純正に応じたポン付けできるものを探す。これは正解!その際デッドニングは大間違いw
へそ曲がりはいろいろな記事を読み漁り、多少お金と手間をかけて純正と違うサイズを入れてみる。大失敗、鳴らない。
私が使ったことがあるのはアルパインのSTE-170C、クラリオンのSRT1033・1633・1733、PHASSのFD0590EX・FD0496。全部コアキシャルかフルレンジで1か所から音が出る点音源。
SRT1633Sとかツィーターを単体で買ったこともあるけれど、ツィーターの置き場所だけで悩みまくるので、音楽を楽しむなんて全然無理。結局点音源。
今も普段はツィーターを使っているが、あくまでフルレンジの補助。あり得ない使い方。
スピーカー口径による違い
今までの経験からしてこうなる。
スピーカーの口径 | 小 | ⇔ | 大 |
鳴らしやすさ | 難しい | ⇔ | 楽 |
解像感 | 高 | ⇔ | 低 |
迫力 | 小 | ⇔ | 大 |
音のキレイさ | 繊細 | ⇔ | 大味 |
振動 | 小さい | ⇔ | 大きい |
こう見ると小さい方が良いのではないかとなるが、実はでかい方が扱いやすい。
でかい方が鳴りやすい=振動を使いやすい。
特例は軽自動車。10センチでも震えまくる。鉄板が薄いから。
音のキレイさを取るのか迫力を取るのか。オーディオはきれいな方がいい。カーオーディオは迫力があったほうが気持ちいい。
車内空間と口径
車内空間に合った口径というのがある。これが合っていないといろいろ悩むことになる。例えばミニバンに10センチだとパワー不足・低音不足。軽に口径の大きなものだとうるさいだけ・低音過多など。これにハマるとミニバンならサブを増やしてみたりアンプを変えてみたり、軽ならデッドニングしてみたりツィーターが欲しくなったり。あらぬ方向に進んで沼落ち。
私が思うに最初は純正に準じた口径が良い。普通車なら17、軽なら10~13かな?最初から中途半端な口径に手を出すと、世間の常識にさらわれて鳴るものも鳴らない。
いろいろな車を聞いてきた感じからして、純正がやはり適切な口径だと思う。純正ツィーター分は考えないでいい。雰囲気づくり用なので。
敢えて違う口径をつけるなら、鳴らす経験を積んでからでないと危険。安いスピーカーでいいので、とっかえひっかえやって勉強するといい。私はSRTで10~17までやって、結局正解が見つけられず、13しかないな・・・となってPHASSにした。単純に、キレイで迫力が欲しいから。ただし13は条件を満たさないと鳴らない。
オフ会で色々聞かせてもらうと、口径でハマっている人はかなり多い。
大は小を・・・兼ねないw
世間的には機材信仰・金額信仰が根強いので、高くて大きなスピーカーを使う人が多いけれど、鳴らすならメインスピーカーは13か16で充分。ミニバンクラスでも17あれば問題ない。
ハマりだすとホーム用のスピーカーを使う人がいるけれど、カー用は基本的にフリーエアーで鳴るようになっているのでエンクロは要らない。一方、ホーム用はエンクロ(スピーカーボックス)が必須となっています。中にはフリーエアーでも鳴るスピーカーはありますが、この辺りがわからないならホーム用は使わないほうが良い。
カー用はそれだけでなく、過酷な環境でも性能を維持できるよう工夫されています。
メインスピーカーを鳴らさないとダメ
ドアのミッドはカーオーディオで一番重要。
これが鳴っていない車は非常につまらない。かっこいい・デカい・高級なミッドを奢りつつ、アウター土管バッフルで詰まりまくって、音楽はほとんどツィーター頼り。ミッドは下の方でボソボソ鳴っている車が非常に多い。
なぜミッドが重要か。中音・低音をストレスなく鳴らすことで音の基音がきちんと出ます。これが出ているとその倍音がきれいに鳴り始めます。
基音は出すだけではなくきれいに出さないといけない。基音が汚いと全体が汚い。基音がきれいだと澄み渡った空間が生まれる。
基音のない音は薄い。平板な鳴り方になります。基音がきちんと出ている車はヴォーカルが濃い、細かな音がきれいに鳴り響くようになります。
車に乗り込んで「なんだこのヴォーカルは!」「世界(雰囲気)がガラッと変わった!」というのはきれいな基音のおかげ。
高級車(外車含む)の場合、静穏性が高すぎてミッドだけでは鳴らしきれない場合が出てくる。振動が減るので音が上がりきらない。この場合でもミッドを基礎にしてスピーカーを追加(2Way/3Way化)して音を積み上げていくことが必要。当然ネットワーク等の調整が必要になります。
例えばツィーターをつける場合でもメインがツィーターになってはいけない。あくまでミッドの基礎の上に積み上げていくことが必要。
人の車を聞かせてもらって多いのが「フルレンジにツィーターを足しました」とか「高級ツィーターを入れました」ということで音楽のメインをツィーターで鳴らしてしまう人。
この手の車に多いのが上と下に別々の芯があって、ヴォーカルが目の前、低音はセンターという鳴り方。要はまとまりがない。
ツィーターはあくまで黒子に徹してもらうべき。主役はミッドでないといけない。
この際にスピーカー口径が合っていないと、基音が絶対的に不足してしまったり、スピーカーに無理をさせて基音が濁ってしまう場合がある。鳴らし方で対応はできるけれど、かなり上級編。普通は適正な口径を選んで、きちんとした設置が手っ取り早く王道。
コメント
こんんばんは。
今回も記事楽しく読ませて頂きました。
ありがとうございます。
以前13cmの同軸を使ってみたい衝動に駆られて、いくつか入手して、おお!来た!と思って最後に購入したmacAudioの15年くらい前の同軸が12cmでした(笑)
大変鳴らしにくいですが、今は仲良くなれました(^_^)
今回修理に出すにあたって色々探してみたのですが、なかなかいいものがなくて10cmを使いました。口径によって音の出方や音楽の雰囲気が変わるのはやってみないとわからないですが面白いですよね。しかも耳が育っていると全然違ったメリットデメリットが発見できて色々経験できたのが良かったです。