NUCの熱対策 Akasa Turing WS

4.0
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私のNUC遍歴

 昨今はパソコンを持っている人の方が珍しい感じですが、私は仕事も遊びもパソコン派。以前は自作していましたが最近はノートか小型のパソコンです。その小型のパソコンが専らNUCで、いろいろ問題はあるものの3台ほど買い換えて使い続けています。人に聞かれてもi3くらいのNUCを薦めることが多いかな(安い・コンパクト・安定している)。

 NUCはCorei5の7世代、i5の11世代、i7の12世代と使ってきました。最初の7世代NUCはとにかく爆熱で、こまめに掃除をしないとすぐに埃がたまって冷却不足になり熱暴走>フリーズという暴れん坊。ホントすぐに暴走するので仕事になりませんでした。しまいには壊れたと思って11世代を急遽購入したところ、冷えたら治るという・・・ これに対し買い換えた11世代はかなりの優等生で、冷却対策もされており、かなり快適。今でも仕事用のメインPCとして頑張ってくれています。

復活した7世代は自宅で使っていましたが、やはり暴走野郎のため、昨年12世代NUCに買い換えました。

 今だとこれが一番バランスイイかな。

12世代も熱いぜ!

天板のフィルムが残っているので汚く見えますw

 この12世代、最初は爆速でかなり凄いと思ったのですが、挙動が不安定になることが多く(スリープから復帰できない・BIOSアップグレードができない・HDDをロストする等)おかしいなと思っていたところ、この春先から明らかに熱暴走し始めました。特に重い作業でもなく、YouTubeを見ているだけでも内部温度が100度になり、動きが怪しいというか動かなくなります。筐体自体も爆熱で、触るのもヤバいレベル。電源入れて3分後にはCPUファンが全開になり、唸りまくります。それでも冷却しきれなくて結局暴走するので手に負えない。酷くなるとメモリやSSDを認識しなくなってしまうこともあります。クソ・・・i5にしておけばよかった(12世代のi5はバランスが良くて評価が高いです)。この状況が夏が近づくにつれさらに酷くなってきており、購入半年ながら買い替えを考えるようになりました。そこで次の13世代でも調べるかなとWebを彷徨っていると、NUC専用の社外ケースを発見、これが私の心に火をつけ、私自身が暴走してしまいました!

Akasa Turing WS

 このケースというのがNUCのガワを丸ごと取っ払って、基盤だけをフルアルミ製のケースに入れるというNUCケースです。

 熱暴走の原因はCPUの知恵熱をCPUファンでは冷却しきれないためです。最近はCPUばかりではなくM2.SSDも爆熱なのでパソコン内部の熱源が増えており冷却が大変です。NUCはコンパクト故に冷却が間に合わなくなりがち。今回の私の熱暴走の原因は12世代i7が爆熱なところにM2.SSDを使っているためです。これに対策するにはCPUの性能を落として発生する熱を抑えるとか、M2.SSDを普通のSSDに変えて発熱させないなどの速度性能を落として対応するのが簡単で合理的。実際安定稼働している11世代はi5で普通のSSDを使っているため発熱が少なくバランスが取れているわけです。

 このAkasaのNUCケースは、巨大ヒートシンクの中にNUC基盤をしまってCPUを冷却しちゃおうというモノで発想が面白い。M2.SSDにも専用のヒートシンクを使います。

 これによってファンレス化できるわけですが、このファンレス化できるというのが人によってはぶっ刺さります。NUCはコンパクト故にファンも小型で必死に冷却するためにモーター音が大きいのですが、これがなくなります。つまり

ファン(モーター)が一切無いため無音パソコンとなります。

 パソコンで映画や音楽を再生デバイスとする人(ひと昔前に流行ったんですw)には究極に近い仕様です。果たしてこのケース、どこまで効果があるのか試してみることにしました。

Akasa Thermal Solution
Akasa branded products including cables, cases, card readers, coolers, external enclosures, fans in many colours, hubs, ...

 AKASAは台湾メーカーで、主にパソコンの冷却に関する製品を多く扱っています。日本にも代理店があるようですが、NUCケースは大々的には輸入していない模様。売っているとしても4万前後とケースにしては高級すぎる値段。海外からだと送料込みで3万くらいかかりますが、今回は29000円でアメリカアマゾンから買ってみました(UKからも買えます)。本体を買い換えるよりは安いし、無音PCなら多少古くなってもいろいろ使い道はあるので(簡易NASなど)、まぁいいかなということで・・・ ポチってから10日くらいで届きました。

後から配送手数料の変更ということでAmazon USAから返金がありました。実質26500円くらいになりました。地味にうれしいw

 NUC用には何種類かのケースがありますが、私はちょっとデザインの凝った、巨大ヒートシンク然とした「Turing WS」を選びました。一応13世代も対応しています。

 NUCの分解とTuringへのインストールはメーカーの動画通りに行い、小一時間で基盤移植することができました。工具はドライバーとピンセットがあるといいかな。そこまで細かな作業もなく、基本ネジを外して組み込むだけです。基盤を元の筐体から抜くところだけ怖くて、それ以外は簡単です。

ばらすのは怖いですが組むのは簡単tポいうかボルトオンです

 サイズは思ったより一回り小さいですがズッシリ重く、高級感があります。それでも「こんなので冷えるのかねぇ・・・」と、ちょっと不安がよぎりますが、とりあえず設置してスイッチオン!

こ、これは・・・

 巨大ヒートシンクなのでNUCそもそものコンパクト性がなくなるという矛盾があります。ただしその効果は予想の上をいく驚くものでした。

NUCの動作は劇的に良くなった!

 NUCが暴走するとプログラムが極端に重くなったり、動画ならカクカクになったり、レスポンスが極端に落ちたりします。これが完全になくなりました。完全というのは私見ではありますが、常識の範囲内くらいかな?ストレスはないです。

 私の場合NUCからeGPU(外部グラフィックボード)を通して4Kディスプレイ2枚に表示させています。それでも以前はカクカクだったものが全く引っ掛かりが無くなりました。

熱いが冷える

 そして驚いたのがケースの熱さ。ヌルいくらいかと思っていたのですが負荷が上がると激アツになります(高負荷時)。最高50℃弱まで上がっているんじゃないかな?筐体がヒートシンクなわけだから熱くなるわけですが、ここまでとは驚きました。ケース全体が熱くなって冬は暖房になるんじゃないかというレベルです。普通に使っていると30℃くらい。ちょっと暖かいかなという感じです。冷たくなることはありませんw

 一方本体はHWモニターで見る限り、ノーマルに比べて10℃~30℃落ちています。感覚的にはノーマルのレブリミット超えまくりが、Turingで限界ギリギリで回せている感じ。(冷却の)余裕があるとまでは感じないけれどもNUCの性能を引き出せているようです。M2.SSDも安定して50℃近辺でとどまっており安定しています。

ホントに無音

 これホントに無音になります。素晴らしい!昔水冷とかもやりましたが、なんだかんだ音はあったのですが、今回は完全ファンレスということで無音。今までが主張が激しすぎるくらいファンが唸っていたのでその差は激しいです。ノートパソコンより静かですw

WiFI or Bluetooth が必要なら配線とアンテナが必要

 予想以上に効果のあるケースですが、1点だけ問題がありました。アルミのケースなのでアンテナなしでは無線が通りません。アンテナを入れないとWifiもBluetoothも使えなくなります。メーカーの純正オプションだと輸入でも結構いい値段(コミコミ6千円くらい)するのと時間がかかるので、Amazonでそれっぽいものを購入してみました。取り付けは問題なく、性能的にWifi5Gがダメっぽいですが、これでWiFi4G・BTともに使えるようになりました。コスパ最高です。

 Wifi5Ghzもいけてました。Wifi6もOKです。つまりこれ買っておけばOK。

アンテナの装着が老眼にはきついです ボタンのようにはめ込みます

お高めにながら性能はバッチリ

化粧板が2枚入っていて、縦置き横置きどちらもOK

 今のNUCだとi5までなら熱で悩むことは少ないと思いますが、i7以上を選ぶ場合は高確率で熱暴走に悩むことになるでしょう。3万のケースが安いとは思えませんが、見た目の高級感やインパクトがあり、尚且つ冷却効果も充分にあると感じました。熱暴走で悩んでいる人はもちろん、HTPCや音楽ソースとしてパソコンを使う人にもお勧めできます。テレビ用のパソコンにしてもいいかも!?スマートにNUCの熱対策をしたい人にはお勧めです!

 この記事を投稿以降、しばらく使っていて思うのは「無音最強」ですw 完全に安定しており、これならしばらく使えそう。机の上のオブジェになりつつ無音、これはアリです!

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