Google Photoの記事でNASを褒め称える予定がAmazon Photosを褒めることになってしまいましたw 結果的に私はAmazon PhotosとNASで写真をバックアップします。今回はNASの話。
NASとは
NASはNetwork Attached Strageの略。ネットワークにつながる外付けストレージ。外付けストレージのようですが、実際はストレージのデカいパソコンと考えるといいと思います。
普通の外付けストレージがパソコンとUSB接続の1対1接続に対し、NASはLAN接続で複数のパソコンの外付けストレージ(ファイルサーバー)となることが可能。モバイル環境があれば(テザリングでOK)LANネットワークノ外部からアクセスできるので、個人所有クラウドな感じになります。
購入したNASのベイ(HDDスロット)の数だけ容量を増やしたり、複数に同じデータを書き込んでバックアップ用に使うなんてこともできます。私は6TのHDDを2本使ってバックアップを取り続ける形で運用。1本が不具合を出しても、新品HDDを入れれば再度コピーされて運用できるようになっています。容量こそでかくはないですが大事な仕事のファイルを守るためです。
2ベイなので6TのHDDが2本入っています
大切なファイルはもちろん、高画質で巨大な写真ファイルや動画ファイルを容量の許す限りどんどんバックアップできます。ハイレゾ音源などを心置きなくため込むなんてこともできるかな。
NASのデメリット
NASはほとんどデメリットはありませんが、強いて言うならば・・・
①知識が必要
そんなに専門的でなくてもいいけれど、おおよその仕組みは知っておいた方がいい。基本的な使い方はいろいろ紹介されているので、それを真似ていくうちに覚える感じ。わざわざ勉強するほどではない。ファイルサーバーだけならばすぐに構築できます。
私はネットワークの知識はほぼありませんでしたが、設定ソフトも簡単だし、ググるだけでほぼ設定できました。
②お金がかかる
ひと通りネット環境がある前提ならばNAS本体が2万円から。ストレージは今だとHDD4Tで1万ちょっとかな?2本は欲しいので2万円。イニシャルコスト(初期投資)で合計4万くらい。転送速度を上げたり容量を上げるとなると価格はどんどん上がっていきます。ただ家庭用ならそこまでスペックは必要ないので4万円のシステムで充分利便性は上がります。
NASのメリット
「あぁこういうことなのね!」使ってわかるNASの良さ。
①複数のデバイスでファイル共有が可能
パソコンはもちろんスマホやタブレット、HDDレコーダーやテレビ、監視カメラなどネットワークにつながるデバイスでデータ共有が可能。これが最大のメリットでしょう。例えばスマホの写真も一眼レフの写真も全部放り込んでおいて集中管理してくれます。人に見せるとか家族で見るなんて時どのデバイスからでもアクセスできるってのがいい。
昔から様々な形式で撮ってきた写真を放り込んでおけば、写真ストレージが一つで済むし、デバイスを買い替えても引っ越し作業がいらないです。
②RAIDでバックアップができ、データーロストの可能性は少ない。
2台のHDDで同じデータを記録する(RAID1ミラーリング)などができる。一台に異常が出てもHDD交換で対応可能。HDDの健康状態はNASが監視してくれています。
③大量のデータを扱いやすい
欲しいだけ容量のデカいHDDを使える。今はHDDもだいぶ安くなってきたので10T越えも余裕。その時に扱うデータ量に合わせた環境を作れる。不足したら足していけばいい。
④外部アクセス可能
出先からネットを通してパソコンやスマホでNASにアクセスができる。要は個人専用クラウドを持つことができます。社内ではデスクトップ、自宅ではタブレット、出先ではノートで同じデータにアクセスなんてことができる。
WIFIはもちろんモバイルデータ通信でもOK。
⑤VPNサーバーになる
外部パソコンからセキュリティの高い接続ができるので(VPN)、Windows10 proのリモートデスクトップも比較的簡単に可能。これちょっと驚くけれど、会社にNASがあると自宅から会社のLANに入っているような仮想LANが作れる。小さな会社ならばリモートワークができる。一度に実質100人がアクセス可能。ただしこうなってくるとNASにもスペックが必要になるのでNAS自体が高価になってくる。
個人レベルならば最安クラスのNASでも快適な仮想ネットワークを作ることができます。
⑥デバイスにデータを抱え込まなくていい
各端末に大容量のストレージがいらなくなってくる。極論だけれどデバイスが壊れたとか無くしたとしてもデータはNASにあるのでダメージは少なくなる。例えばiPhone毎回絶妙なストレージと価格で売り出されるけれど、ワンランクくらい簡単に落とせる。パソコンのストレージも私は256Gで足りている(使い方によります)。またBD/DVDレコーダーの追加ハードディスクにももちろんなります。
⑦データ量が大きければクラウドより格安
例えば写真が趣味で4Tのデータをクラウドで維持するとなるとGoogle Oneなら4Tで年間26000円。NASのイニシャルコストが4万円とすれば2年で元とれちゃいます。
テラ単位のストレージが必要ならば(扱うデータ量が多いなら)NASが結果的に安い。
今の時代だと、巨大な容量のクラウドを個人所有する感じになります。最初に設定すればバックアップも勝手にできるし、データロストの可能性もかなり減ります。でかいデータを扱うならNASを使った方がいい。
スマホが容量足りなくて、古い写真を捨てながら使っている場合など、NASがあれば写真を捨てる必要がなくなります。ハイレゾ音源なども同じ。
NASはこんな人におススメ
先に書いたけれどテラ単位のストレージが必要な人。テラになってくるとクラウド課金でってのはお金がかかりすぎるのでNASを持った方が早い。
無料クラウドで足りない人
iCloud・Googl One・One Drive・Dropboxなど無料部分だけじゃ足りない人。テラ単位でデータを溜めたい人はNAS持った方が安上がり。知識がない場合は課金もアリ。
データ溜め込み系w
私はコッチなのかなぁ。使わないのに溜め込んでいてそのまま忘れる・・・でも残ってないと心配ですw 当然家族全員を対象にできます。
写真撮りまくる人
RAWでため込むとなると相当のストレージが必要になってくるのでNASがいい。
動画撮りまくる人
動画も同様ファイルサイズがデカいので置き場にNASがあるといい。ちなみにテレビの録画も対応していれば可能。おっさんはあまり動画撮らないけれど、若い人は普通に撮るので家族用にいいかもしれない。
ハイレゾなど音楽ファイルをため込む人
これもファイルがデカいのでNASに入れておくといい。回線制限のないドコモの5Gや楽天のSIM使えば、NASに繋いで車で聞き放題なんてことができる。ただしハイレゾは回線速度が不足するとすぐ止まりますw ハイレゾのオンライン再生はいろいろ問題が出てくるので注意です。
あちこちでデータ編集作業する人
外でわざわざパソコン仕事したい人(俺かw)自宅でも会社でもシームレスにデータ編集したい人、デバイス問わずデータ使いたい人。これに関してはクラウドと同じ。リモートデスクトップも使えるので楽。
私はソロキャンプへ行って設営後に仕事をよくやってますw 電波が無いと無理だけれど、仕事アリの場合は電波のあるキャンプ場を選んでいるかな。荷物は増えるけれど、気分転換にとてもいい。
もうすぐ一家に一台の時代が来るかも?
家族に写真好きや音楽好きがそうそういるとは思わないけれど、家族全員がスマホを持つ時代。「古いのは捨てて・・・」という人が多いけれど、全部ため込むことが可能。「溜め込んでどうするの?」と思うかもしれないけれど、結構写真見ていろいろ思い出すなんてことが多いし、楽しい。
まだちょっとNASのインターフェースに難しさがあるので普及しきれないと思うけれど、nasneがもうちょっとユーザーフレンドリーだったらもっと普及していたと思う。ただnasneはHDDが1台なのでデータを守り切れず、いろいろ問題があった(HDDの耐久性が低かった)のがもったいなかった。また、最近ではBDレコーダーが実はすでにNASに近い性能を持ち始めている。ただし家電なので、容量をユーザーがカスタムできるような自由度がほぼないのと安定性に信頼がおけない。
NASは小難しいけれどデーターを溜めこんで維持するというのに長けている。
最初のNASはコレ!
NAS導入時は「便利な外部ストレージ」くらいな認識でいいと思う。実際便利で、私はかれこれ10年弱、24時間稼働しっぱなしで使っています。データ損傷とかHDDが壊れたことはなし。ただAC電源が設置方法が悪くて熱で溶けたことはアリ・・・これは私のミスですw 最新のやつはこの電源形状も対策済みでした。あと私自身のミスでデータが飛びかかったことは幾度かアリw
メインは写真のバックアップ用途で、仕事でも利用中。途中からOffice365に入ったため仕事のファイルはOne Driveを使うようになったけれども、古いファイルはそのままNASで使用中。
昔はHDDも高かったので、個人でNASなんて組む人はごく一部だったけれども、ここまでHDDが安くなってくると、持てるなら持っておいて悪いことはない。特におすすめなのは写真好きと音楽好き。
ちなみにNAS自体はそこまでスペックは必要ではない。メーカーでいうとQNAPかSynology選んでおけば間違いない。最初は2ベイがおすすめ。データをがっつり守りたければ4ベイ以上もアリ。高価だとベイ数が増えて高速だけれども、家庭用ではオーバースペック。
バッファローとIOデータは過去に何度も苦い思い(突然死)をしたので使いませんw
上の二機種はともに2ベイでHDDが二つ入ります。ミラーリング(Raid1)で使うのがいいかな。これはHDD①と同じ内容のHDD②を常に作るので、片方のHDDが壊れたらそれだけ入れ替えればOK。
HDDに関しては世間はWD REDかSeagate Ironwolf(サーバー用)だけど私はWD BLUE(一般用)でいいかな。同じ容量のものを二つそろえるのがミソです。サイズが違う場合は容量の少ない方に合わせて使うことになります。
NASを組んでみよう
組むといっても今やNASのスロットを引き出してHDDを入れて挿すだけ。ドライバーすら必要なし。あとは電源とLANを挿すだけ。
操作はLAN上にあるパソコンならばどれでもOK。初期設定が済めば外部からでも操作可能。驚くくらい簡単です。
あとはNASのOS(QNAPの場合QTSと言います)に指示に任せて「次へ」を押していれば設定完了。ファイルサーバーは簡単に構築できます。
あとは欲しい機能をつけ足していく感じで、スマホのように自分でNAS用のアプリを足していきます。VPN・写真・動画・バックアップなどいろいろできるのが楽しい。
ピン!と来たら導入をw
ここまで読んでピンと来た人(素敵な未来を想像できた人)はNAS買っていい状況。おそらく大量のデータの保管で困っているから。イマイチピンとこないという人は無理にNAS組むよりは無料ストレージ駆使すればまだいけるはず。
4万円という価格が安いノートくらいなので微妙なところだけれど、家族の画像・動画サーバーで使うなら活躍するだろうし、必需品になるかも。
また私のように自営業の人は趣味と仕事どっちでも使い勝手がいい。セキュリティも上がるし(完ぺきではない)手元にパソコンやタブがあれば働く場所を選ばなくなるというメリットは大きいです。
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